【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

「ダンシング・ヒーロー」の魅力的ストーリー

2009-06-13 00:28:49 | 映画

「ダンシング・ヒーロー(Strictly Ballroom)」
                              (豪,1992年,94分
                         

 ダンス界期待の若手スコット(ポール・マーキュリオ)は、社交ダンスのルールを無視した新しいステップを求めるあまり,パートナーに見放されます。(スコットは、かつてプロのダンサーで現在ダンス教室を経営している両親の子でした)。

 新しいパートナー,フラン(タラ・モーリス)は、不細工で不器用なまだ初心者の女の子。その彼女は、スコットのパートナーになって汎太平洋選手権大会に出場したいと憧れていたのです。

 まだ練習生にすぎない彼女には,ひとつだけ類い希な才能がありました。スパニッシュ系の彼女は、密かにフラメンコの練習を家でしていたのです。そのステップを目の当たりにしたスコットは驚きます。それからスコットとフランとの大会に向けた個人レッスンが始まります。

 黙々とレッスンを続けるフランは加速度的に上達。顔つきまで変わってくるのでした。しかし,スコットの周囲は、別の動きをしていました。ダンス協会は現在のダンスクイーンとスコットとがペアを組むように、画策していたのです。スコットの母親は、この案に大賛成。フランはそのことを知り失望します。

 しかし、フランとの出場を考えていた当のスコットは、この案に納得しません。スコットは協会の申し出を断り,失意の彼女の家に向かいます。

 彼女の家では,頑固親父に追い返されそうになりますが,スコットは「パソドブレを踊りに来た」と言って信頼を勝ちとります。実は彼女の頑固親父は本物のパソドブレを踊る元ダンサーでした。すばらしいステップと踊りの披露。次いでスコットはお婆さんにパソドブレを習い,認めてもらいました。

 大会直前,スコットはダンス協会の会長からの彼の父親の過去を聞きました。彼の父親は元オーストラリアでナンバー・ワンのダンサーだったことを。

 その父はかつて有能なダンサーでしたが,やはりステップの新しさをもとめ,結局その世界から疎んぜられた人間でした。母はそうした父を敬遠し,別のパートナーと組み,大会での優勝も勝ち取った人でした。

 スコットはそういった不本意な過去をもつ父親のために,彼の元パートナーと組んで汎太平洋選手権大会に出場すると翻意します。

 汎太平洋選手権大会で最初の演技から好調なスコット。しかしラテンの部決勝の前に意外な真実を父親から告げられます。ここはこの映画の重要なポイントなので、実際に観てください。

 優勝よりも自分のダンスをする事に決心したスコットは再度、フランに頼み込んで一緒大会にに出てくれるようたのみこみます。ラテン部クライマックスのさなか,スコットとフランのペアは会場に登場します。ふたりにダンスの披露をもとめるギャラリーの拍手は最初は小さく,それが徐々に大きくなり,ふたりはそこで勝負を忘れて最高のダンスを披露します。

 ダンス映画だけあって、登場人物のダンスは素晴らしいのひとことにつきる。主人公は実に切れの良い動きをしていますし,物語中盤に登場するスパニッシュ系のダンサーのパソドブレというダンスも素晴らしいです。圧倒されるような存在感と美しさがあります。

 選曲も物語とマッチしています。「キサス・キサス・キサス」,「タイム・アフター・タイム」,「イエスタデイズ・ヒーロー」など,違和感なくストーリーに溶け込んでいました。