【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

イリーナ・メジューエワ ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏 第6回

2009-06-09 00:10:25 | 音楽/CDの紹介

                            
 イリーナさんのベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏の第6回目です。32曲の全曲達成もまじかです。

   空色の薄手のセーターに、グレーのスカートで登場したイリーナさん。

 今回のメインは ≪ハンマークラヴィア≫です。スケールの大きい、演奏家にとっては技巧を求められるとともに、精神を働かせて演奏しなければなりません。難曲中の難曲です。ベートーベンは身近な人にこの曲で「ピアニストに少し働いてもらいましょう。この曲は50年ぐらい理解されないでしょう」ともらしていたそうです。19世紀のピアニストもこの曲を弾く人はまれで、例外的にリスト、ビューローなどが弾いていた程度だそうです。
 最初から左手の10度のジャンプがあります。ファンファーレのように聴こえます。3楽章はソナタ形式の緩叙楽章です。第4楽章はトリルが使われ、晩年のベートーベンの新しい大切な表現手段でした。≪ハンマークラヴィア≫の 演奏時間は、繰り返しの部分をカットして、約40分。

  ソナタ10番は明るい、ソフトな感じの作品です。1楽章は展開部で中身が濃くて複雑です。2楽章はマーチ風の変奏曲で、これはベートーベンの新しい試みだそうです。終りのほうにハイドンを思わせる部分があります。伝統にのっとりながら、オリジナリティをうちだした作品です。3楽章はリズムに特徴があります。ユーモラスなところなど。

 ソナタ15番の田園と言うのはベートーベンがつけたものではありません。12,13,14番と実験的なソナタでしたが、この15番はグランドソナタとでもいうべき完成度の高い作品です。わたしはこの曲の1楽章のメロディがとくに好きですね。


◆ ピアノ・ソナタ 第10番 ト長調 op.14-2  (1799年頃?)
 Piano Sonata No.10 in G major, op14 No.2
  Ⅰ Allegro
  Ⅱ Andante
  Ⅲ  Scherzo. Allegro assai

◆ ピアノ・ソナタ 第15番 ニ長調 op.28 (≪田園≫) (1801年)
 Piano Sonata No.15 in D major, op28
  Ⅰ Allegro
  Ⅱ Andante
  Ⅲ  Scherzo. Allegro vivace
  Ⅳ Rondo. Allegro ma non tropp

◆ ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 op.106 ≪ハンマークラヴィア≫ (1817/18年)
 Piano Sonata No.29 in B-flat major, op106 "Hammerklavier"
  Ⅰ Allegro
  Ⅱ Scherzo. Assai vivace
  Ⅲ  Adajio sostenuto. Appasionato e con molto sentimento
  Ⅳ Largo-Allegro risoluto

  演奏後、デジタルカメラで一緒に写真にはいっていただきました。上記画像は、ハンマークラヴィア演奏直後のイリーナさんです。