角幡唯介「空白の五マイル」を読みました。
この本は、僕と同じ図書室に机のあるT先生と話をしていて、僕が高野秀行さんが好きでよく読んでいると知って教えてくれた本です。角幡唯介さんは高野さんと同じ早大探検部の出身です。チベットにある世界最大のツアンポー峡谷で未踏の五マイルを探検したお話です。
本書ではこの秘境ツアンポー峡谷探検の歴史から語られます。何人もの探検家が伝説の滝を求めて現地に入り、あまりの過酷な状況に跳ね返されていきます。NHKの撮影隊がカヌーイストを伴って入り、早大カヌー部の一人が命を失った事件も紹介されます。
圧巻は、彼が朝日新聞社の記者を退職して臨んだ二度目のチャレンジの探検記です。当局の許可なしに入り込んだ彼は、現地のガイドに断られてしまい、不正確な地図をたよりに単独で探検に挑みます。しかし、過酷な地形と容赦ない雨、雪の前に彼は生死の境をさまようこととなります。無謀としか言いようのない探検が淡々と語られています。
彼自身も書いていますが、この本を書く社会的な意義は限りなく薄いとしか言えません。ただ、僕たちが探検本を読むのは、それがソマリランドであれツアンポー渓谷であれ、この安穏でぬくぬくとした日本ではない強烈などこかへ誘ってくれるからだと思います。筆者の命がけのばかばかしさが、平和ぼけした日本に暮らす読者達に強烈にアピールしてくれる本でした。
この本は、僕と同じ図書室に机のあるT先生と話をしていて、僕が高野秀行さんが好きでよく読んでいると知って教えてくれた本です。角幡唯介さんは高野さんと同じ早大探検部の出身です。チベットにある世界最大のツアンポー峡谷で未踏の五マイルを探検したお話です。
本書ではこの秘境ツアンポー峡谷探検の歴史から語られます。何人もの探検家が伝説の滝を求めて現地に入り、あまりの過酷な状況に跳ね返されていきます。NHKの撮影隊がカヌーイストを伴って入り、早大カヌー部の一人が命を失った事件も紹介されます。
圧巻は、彼が朝日新聞社の記者を退職して臨んだ二度目のチャレンジの探検記です。当局の許可なしに入り込んだ彼は、現地のガイドに断られてしまい、不正確な地図をたよりに単独で探検に挑みます。しかし、過酷な地形と容赦ない雨、雪の前に彼は生死の境をさまようこととなります。無謀としか言いようのない探検が淡々と語られています。
彼自身も書いていますが、この本を書く社会的な意義は限りなく薄いとしか言えません。ただ、僕たちが探検本を読むのは、それがソマリランドであれツアンポー渓谷であれ、この安穏でぬくぬくとした日本ではない強烈などこかへ誘ってくれるからだと思います。筆者の命がけのばかばかしさが、平和ぼけした日本に暮らす読者達に強烈にアピールしてくれる本でした。
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