日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

北京から来た男

2017-08-02 06:30:11 | 読書
ヘニング・マンケルのヴァランダーシリーズで翻訳の出ているものは全て読んでしまいました。同じヘニング・マンケルの他の作品『北京から来た男』を読みました。



スウエーデン北部の小さな村に住むほとんどの住民が惨殺されるという事件が起こります。老人ばかり住んでいる過疎の村です。ヘルシングボリの女性裁判官ビルギッタは、母がこの村の出身であった事から、この事件に関心を持ちます。過労からくる高血圧で休暇を取るように医者から命じられた彼女は、この村へ向かいます。



19世紀のアメリカに連れて来られた中国人の兄弟がいました。彼らはアメリカ大陸横断鉄道の敷設に従事させられていました。過酷な現場で奴隷同然の扱いを受けていた兄弟の一人サンは強い怒りを現場監督の男に抱いています。やがてサンは宣教師と知り合い中国へ戻ることが出来ました。

壮大な構想と、現代社会の歪みを描いた大作でした。山崎豊子の作品を読んでいるような感じがしました。ただ、サンとその子孫たちの行動や心理にはやや無理が感じられなくもなかったです。欧米の人がアジア人を描くときの違和感が感じられたのだと思います。いつものようにスピード感ある結末で、面白く読めました。
コメント
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