黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『翻訳のココロ』鴻巣友季子(ポプラ社)

2008-12-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
棒高跳びに、パスタ、合気道に、二人羽織……たくみな喩えを用いながら、“翻訳”とは何かを考える。
また、名作“嵐が丘”の翻訳という大仕事に挑むことになった鴻巣さんの、イギリス行、そして一文へのこだわりなどを描くエッセイ集。

あまり知ることのない翻訳という世界が、とても興味深かったです。
特に、過去に訳された文章を踏まえつつも、最適だという一文を見つけ出す作業に頭が下がる思いでした。

<08/12/21>

『光』三浦しをん(集英社)

2008-12-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京都から遠く離れた、美浜島で生まれ育った中学生・黒川信之は、島に1つしかない中学校の同級生である美花に思いを寄せていた。一方、父・洋一に虐待されて育った輔は、信之を慕っていたが、彼はそんな輔を疎ましく思っていた。
そんな中迎えた、昭和62年5月6日。
夜、山の神社で美花と待ち合わせた信之と、そんな彼に付いてきた輔は、そこで津波に自分たちの住んでいた場所や知り合いが飲み込まれていく惨状を目の当たりにする。
彼らの他に生き残ったのは、灯台守の老人と、たまたま舟に乗っていた輔の父と、美花の家のバンガローに泊まりにきていたカメラマン・山中だけ。
島での行方不明者の捜索活動が行われる中、さらなる出来事が起き、信之たちはある秘密を抱えた。
それから20年が過ぎ、それぞれの人生を歩んでいた彼ら。
信之は、公務員となり、妻・南海子と娘・椿と普通の家庭を築いていたが、南海子はある男と浮気していた。
そして、輔の前に現れた洋一の存在が、再び彼らを過去へと向かわせることに……

またちょっとこれまでとは違う傾向で、ダークというか、最後まで緊迫感のある作品でした。
この作品に『光』とつけるセンスがすごいですね。

<08/12/21>

『インディゴの夜 ホワイトクロウ』加藤実秋(東京創元社) 

2008-12-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
このところ渋谷・神山商店街の神山食堂に通いつめているジョン太。食べ物のおいしさもさる事ながら、バイトの可奈に気があるからだ。そんな中、商店街に落書きする輩が現れた。犯人を捕まえようと張り込むジョン太だったが、犯人と争う中で殴られ気を失う。しかもその翌日、可奈が姿を消して……『神山グラフィティ』、
アレックスが所属する二宮ジムの会長が、ギャンブルに手を出し、1000万の借金作った。しかも島津興業に拉致監禁されて、翌日の午後7時までに返すようにと迫られているという。しかしそれは島津興業によって仕組まれたこと。捕らえられた会長を助けるべく、アレックス、“タイ人”(風)キックボクサー・ポンサック(内田智久)、新開一志の3人は、資金調達の為、島津興業のネットカフェから奪うことに……『ラスカル3』、
碑文谷公園で、いろんなものに画を描くタクミと知り合った犬マン。そんなある日、公園の小さな社の近くで死体が発見された。被害者は前科のある、藤尾忠志という男。その犯人として公園のホームレスのリーダー的存在であるアキオが捕まってしまった。彼の無実を信じるタクミだったが、証言できない事情があった。何とか事態を解決するべく、事件を調べる中で、売れっこインテリアデザイナー・笠倉壮介がプロデュースする商店街の再開発に対して、立ち退きに応じない薬局に不審を抱いた犬マンたちは……『シン・アイス』、
“club indigo”が改装することになり、その間なぎさママのつてで、タイレストランを仮店舗して営業中。そんな中、改装を手がけるデザイナー・笠倉の助手である白戸仁美が行方不明に。その行方を探すインディゴの面々は、ヒントをさがすべく笠倉がこれまでデザインしたとされる店を訪れるが……『ホワイトクロウ』の4編収録の連作短編集。

シリーズ第3弾。
今回はインディゴの改装の間に、メンバーがそれぞれに事件に巻き込まれていて、最後の1編で収束している感じ。
ポンサックのキャラクターが楽しかったです(笑)。

<08/12/20>

『踊るジョーカー 名探偵 音野順の事件簿』北山猛邦(東京創元社)

2008-12-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
推理作家・白瀬白夜は、謎解きの才能を持ちながら、気弱でひきこもりがちな友人・音野順の為に、自分の仕事場にしているマンションの一角に探偵事務所を開設した。泣き言を言う音野をなだめつつ、現場へと向かう彼らが謎を解くミステリ連作短編集。
依頼人・南斉貴一の父・一郎が自宅の地下室で刺されて亡くなった。現場の床一面にトランプが散らばっており、凶器であるナイフにもトランプ…しかもジョーカーのカードが突き刺さっていたという……『踊るジョーカー』、
豪邸で二人暮らしをする上野姉弟…姉・アサヒと弟・カイの元から、次々に時計が消えるていう事件が起きているという。両親が遺した美術品もあるというのに、盗まれるほど高価なものでない時計ばかりが何故?……『時間泥棒』、
アイディア商品で成功した会社の社長・笹川明夫が何者かに殴られ亡くなった。その息子・晃が依頼にやってきて、被害者しか知らなかったという金庫のナンバーを調べてほしいという。ヒントとなるのは、彼が絶命前に写したらしいポラロイド写真。
そんな中、世界を飛び回る指揮者である音野の兄・要が白瀬たちの前に現れて……『見えないダイイングメッセージ』、
南大洋大学の研究室で、女子学生・栄子が手作りチョコレートを食べて意識不明になる事件が起きた。彼女が食べたチョコレートからは青酸化合物が検出されたが、他のチョコレートからは発見されなかった。その場にいたのは被害者を含む学生4人と遠藤教授。誰がそれを選んでもおかしくはない状態で、犯人は如何にして彼女に毒入りを食べさせたのか……『毒入りバレンタイン・チョコ』、
事件の依頼をこなした帰り道、うっかり雪の山道に迷い込んだ二人は、一軒の豪邸にたどり着いた。
おりしもそこでは、主・笹宮剣の娘・美子の結婚相手を選ぶ為の競争が行われていた。参加者は、神谷と藤原。美子が彼らに出した条件は、“一番優れたゆきだるま”を作ること。そんな中、藤原が足跡のない雪の中で死体となって発見されて……『ゆきだるまが殺しにやってくる』の5編収録の連作短編集。

ちょっとほのぼのな感じで、割と好みなのですが、インパクトが弱いかな?(キャラクタに深みがないというか、ちょっとイラっとするかも…)
個人的にはもうちょっとお弁当ネタにつっこんで欲しかった(笑)。

<08/12/19>

『文士のきもの』近藤富枝(河出書房新社)

2008-12-18 | 読了本(小説、エッセイ等)
樋口一葉、田村俊子、永井荷風、谷崎潤一郎、舟橋聖一、立原正秋、川端康成、久保田万太郎、宇野千代、宇野浩二・近松近江、長谷川時雨、岡本かの子、夏目漱石、幸田文、尾崎紅葉、円地文子、吉屋信子、中里恒子……文豪たちはそれぞれの作品においてきものをどのように描き、また実生活においてどのようなこだわりを持って着こなしていたのか。きものに着目しつつ、作家像に迫るエッセイ集。

装丁に誘われて手に取ってみましたが、とても興味深い内容でした。
名前は知っているものの、何となく読み逃していた作品がほとんどでしたが、何だかちょっと読んでみたい気分になりました。

<08/12/18>

『倉橋由美子 夢幻の毒想』倉橋由美子、他(河出書房新社)

2008-12-17 | 読了本(小説、エッセイ等)
『聖少女』の原型となった単行本未収録作品『わたしの心はパパのもの』、川上弘美・桜庭一樹による特別対談『今、なぜ「倉橋由美子」なのか』、松浦寿輝・古屋美登里による対談『今こそ、倉橋ルネッサンスを』、鹿島田真希による『暗い旅』へのオマージュ小説『ハネムーン』他、千野帽子、穂村弘らによるエッセイ・論考などを収録した倉橋由美子ファン必見の1冊。

何といっても『わたしの~』が読めたのが嬉しかったですが、読者のお悩み相談(倉橋さんの回答がカッコイイ)とか、カクテルストーリーで連載担当されていた斎藤さん(作家・北杜夫さんの娘さん)が明かす知られざるエピソードなどもおもしろく、とても有意義な1冊でした。

<08/12/17>

マカロン'08冬@スタバ

2008-12-16 | スイーツ
 ラズベリーとキャラメルの2種。キャラメルは秋からの引き続きですが、ラズベリーはこれまでのジャムではなく、中身がクリームに変わってます。
 Newヴァージョンの方が、甘さ的には食べやすいかも。

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