黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『カフェ・コッペリア』菅浩江(早川書房)

2008-12-02 | 読了本(小説、エッセイ等)
おいしい珈琲と恋愛に関するおしゃべりを提供する半官半民の施設“カフェ・コッペリア”。そこはAI研究の場でもあり、そのスタッフは人間とAIの区別なく働いている。
そんな店で働く藤井カナタは、ある日、友人のアオイからタツヒコの様子がおかしいという噂を聞き、彼に尋ねると、カフェ・コッペリアのスタッフに恋をしているのだという。しかしタツヒコは、自分が好きになった相手が、人間なのかAIなのか定かではないという……『カフェ・コッペリア』、
種子島近くの無人島にある、閉鎖型の生命圏実験施設で、半年間、暮らすことになった偽の家族たち。
そこに参加している11歳の少女・モモコになつかれた、下っ端の心理カウンセラー・田辺友紀子は、彼女から届く報告メールに書かれた優等生ぶりに不安を抱く……『モモコの日記』、
べろんべろんに酔っ払って、アパートに帰る途中の三上優梨亜は、露天商の男・堀部勲に出会う。彼が見せた“リラランラビラン”というアロマペットの可愛らしさに魅了され、うっかりブリーダーになることを引き受けた彼女だったが、世話は思った以上に大変。そんな中、ブリーダーたちの周囲で不審な人物が目撃されているという……『リラランラビラン』、
石島加世が店長として働くのは、つけると元の髪までがまっすぐに綺麗になると評判の新しいエクステ(つけ毛)を提供している美容室チェーン“アルファ・ラボ”3号店。そんな店に頻繁にやってくる、“帽子の人”小宇田明日美。ストレス解消に毛先を切る癖があるという彼女の髪型は、毎回ひどい状態。しかし何故か自毛を犠牲にしても、エクステをつけることに執着しているようで……『エクステ効果』、
出会った時から、言葉に出さずともお互いを分かり合えていた2人の恋人たち……苧崎歓喜と玉置恵は、TB(試験管ベビー)である。そろそろお互いの親に、恋人のことを紹介する頃合いと考え始めた2人。ところが恵の母・里奈子は、苧崎の名前や素性を知った途端、交際に反対して……『言葉のない海』、
息子は既に亡くなっており、その嫁・万美と高校生の孫娘・瑠香子と共に暮らしている90過ぎの老人・中岡成太郎。去年の誕生日に、瑠香子からもらった老人向けに開発されたロボットに“笑い袋”と名付け、それに向かって話しかけるのが日課だ。幸せだと自分に言い聞かせるようにつぶやく成太郎だったが……『笑い袋』、
叔母の佐藤与志子が勤める“ユニバーサル・ダンサーズ協会 だんだん”で開催される、多種多様な踊り手たちのコラボレーションを売りにしている公演で、急遽代役として立ち会いをすることになった女子大生・鈴宮昌乃。
ところが熊本のベリーダンサー・ミネコとコラボするはずだった日本舞踊家・月城勘堂が、顔に怪我をして入院。京都の病院に行く為、公演には代役を立てると言い出す。そんな彼に、自分と相舞したくないからではないかと、詰め寄る高弟・勘芳。若手音楽家の館石研二郎は、勘堂と一緒に飲みに行った時“チドリが良すぎてつらい”と言っていたというが……『千鳥の道行』の7編収録。

技術が今よりも進歩している近未来(あるいはパラレルワールド?)を舞台としたSF短編集。
実在していたら、リラランラビランは是非さわさわしたいですね~(笑)。

<08/12/2>