黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『寒椿ゆれる 猿若町捕物帳』近藤史恵(光文社)

2008-12-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
南町奉行所同心・玉島千蔭の父・千次郎と年若い義母・お駒との間に子供ができた。しかし、生来病弱だったお駒は、つわりもひどく何も食べようとしない。親しくしている若手人気女形・水木巴之丞に相談したところ猪鍋を勧められ、乃の字屋に食べに出かけた玉島一家。ところがその店に、包丁を持って男・幸四郎が乱入。曰く、店の主人・龍之介は彼の父の店で修行していたのだが、父を殺害し、鍋の秘密を盗んだという。
一方、千蔭に見合い話が持ち上がる。相手は奥右筆筆頭・前田重友の息女・おろく。家柄が違うのだが、彼女は少々変わった人物らしく、中々嫁の貰い手がないらしい。しかし実際に彼女にあった千蔭は、その嘘のない人柄に好感を抱く。
そんな中、幸四郎の父と同じような状況で、乃の字屋の女将も亡くなって……『猪鍋』、
安珍清姫を下敷きに、中村座の利吉が書いた新作の舞台に出かけた千蔭とおろく。その後、巴之丞の楽屋へと顔を出した2人だったが、その際何故か、巴之丞に気をつけるように、と忠告をするおろく。その5日後、巴之丞が腹を刺されるという事件が発生。どうやら出かけた折に、おろくがその姿を見ていた猫似の娘の仕業らしい。しかし彼にはその正体に心当たりがなく…… 『清姫』、
千蔭とおろくの縁談話も着実に進行する中、伊勢町の金貸し・内藤屋に押し込みが入った。その件で北町奉行所に投げ文があり、同心の大石新三郎が押し込みの手引きをした疑いをかけられる。さらに吉原で大石を見たという噂が流れた為、真偽を確かめるべく花魁・梅が枝に話を訊きにいくが、彼女は何かを隠している様子。さらに大石の使う小者たちが事件前に入れ替わっていたことから、彼が何者かに嵌められたのではないかと感じた千蔭は……『寒椿』の3編収録の連作短編集。

シリーズ第4弾?
おろくさんも良い人だし、千蔭といい組み合わせだと思ったんですけどね~。
女運が悪いというべきか、人が良過ぎるというべきか……(笑)。

<08/12/1>