黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『時計坂の家』高楼方子(リブリオ出版)

2006-11-17 | 読了本(小説、エッセイ等)
12歳の夏休み、フー子はいとこのマリカから7年ぶりに手紙をもらい、汀館の祖父の家で夏休みを過ごす為にやってきた。
祖父はお手伝いのリサさんと2人暮らし。その家の二階へ続く階段を登った先に、数段の階段があり、そこには取っ手に古い懐中時計の掛けられた扉があった。フー子がその前に立っていたところ、扉に掛けられた時計が音を立てながら花に変わり、その向こうには美しい緑の園が……。そしてフー子はその園へと足を踏み入れる。
祖父いわく、その扉は昔、物干し台に通じていたが、祖母がそこから落ちて亡くなって以降、閉ざされていたという。
しかしフー子は、祖母もまたその園に出入りしていたのではないかと思い始める。
やがて、マリカのいとこ・映介と知り合い、一緒にその謎を追い始めたフー子は、時計塔の時計や、家の懐中時計を制作した、ロシア人・チェルヌイシェフの存在を知る……

ちょっとミステリー風で、どきどきとしながら読めるお話でした。
先日読んだ高楼さんの別作品にも通じるような、“憧れ”を追うことへの対価というテーマは、興味深いですね。

<06/11/17>

『ガールズ・ブルー』あさのあつこ(文藝春秋)

2006-11-16 | 読了本(小説、エッセイ等)
地方都市の落ちこぼれ高校・稲野原高校に通う吉村理穂。病弱ながら毒舌な師岡美咲、天才投手を兄に持つ藤本如月は幼なじみ。
17歳の誕生日を前に理穂は失恋し、如月の兄・睦月は地区予選で一勝を上げていた。
そんな彼らのひと夏の物語……。

大きな事件はなく過ぎていく日々が、魅力的なお話でした。
続編が先月のダヴィンチに載ってたようなので(別冊?)、そちらも読んでみたいです~♪

<06/11/16>

† 新刊情報(06/11後半) †

2006-11-16 | 新刊情報
11/17
梨木香歩『水辺にて on the water/off the water』筑摩書房

11/20
加納朋子『モノレールねこ』文藝春秋

11/21
冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ PART3』早川書房(文庫)

11/24
津原泰水『ピカルディの薔薇』集英社

三崎亜記『失われた町』集英社

11/25
茅田砂胡『クラッシュ・ブレイズ ソフィアの正餐会』中央公論新社(ノベルス)

P・G・ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』国書刊行会

11/28
畠中恵『ねこのばば』新潮社(文庫)

いしいしんじ『東京夜話』新潮社(文庫)

上橋菜穂子『狐笛のかなた』新潮社(文庫)

須賀しのぶ『ブラック・ベルベット 緋の眼』集英社(文庫:コバルト)

11/30
日日日『狂乱家族日記 番外そのいち』エンターブレイン(文庫:ファミ通)

恩田陸『中庭の出来事』新潮社

畠中恵/柴田ゆう『みぃつけた』新潮社

谷原秋桜子『天使が開けた密室』東京創元社(文庫)

11/下
梨木香歩『この庭に 黒いミンクの話』理論社


『ありふれた風景画』あさのあつこ(文藝春秋)

2006-11-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
高校2年生の高遠琉璃は、ウリをやっているというあらぬ噂を立てられていたことから、彼女に恋人を取られたと勘違いした上級生に屋上に呼び出しを受けたが、危ういところをたまたま居合わせた美貌の上級生・綾目周子に助けられる。
鴉を友達に持ち、霊能力を持っているらしいという特異な噂のある彼女もまた、人々から遠ざけられていた。
互いに信頼しあい、深く惹かれ合うようになった彼女たちの周辺では、さまざまな事件が起き……

噂に振り回されず、ちゃんと自分の目や心で判断する彼女達の姿勢が、当たり前の事ですが好感が持てます。
そして鴉のタロウも良い味を出してますね(笑)。

<06/11/15>

『家守綺譚』梨木香歩(新潮社)

2006-11-14 | 読了本(小説、エッセイ等)
時は、今から100年ほど前。亡くなった親友・高堂の父に頼まれ、彼の実家の守をすることになった文筆家・綿貫征四郎。
そんな彼の元には、床の間の掛け軸の中から、亡くなったはずの高堂が一艘のボートに乗ってやってきたり、河童や不思議な生物たちが現れたりと、何かと賑やかで……

再読です。
ハードカバーの装丁が好きだったので、(文庫は)大分変わってしまって、ちょっと残念だったのですが、こちらも良いですね~♪

<06/11/14>

『ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿』西澤保彦(講談社)

2006-11-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
サイコキネシスを使った部屋への侵入事件が三件も発生。しかも当事者たちは問題の不法侵入に気付いた様子もないのに、三人ともその後すぐに部屋を越していたという……『無為侵入』、
雪の日、血に染まる母の幻影を見る“わたし”太田垣さくら。曖昧な記憶を遡ると、どうやら母を殺したのはわたしらしく……『闇からの声』、
スキーに来て道に迷った大学時代の保科匡緒が、その家にいた男・ハシモトから聞かされた話。彼の作った料理を食べた者は、何故か次々に死を遂げるという……『捕食』、
結婚披露宴の余興の練習の為、仲間の一人・香取条治の家を訪れた古谷優子たち。しかし肝心の条治の姿は見えず、とまどう面々。やがて地下室で彼の遺体が発見されるが……『変奏曲<白い密室>』、
ひそかに思いを寄せる、居酒屋<ぱられる>の従業員・マイに誘われ、あまり得意ではない酒を飲んでいた青年・上地浩美。ところが、気付くと謎の部屋に女性二人、風間由紀江と家根本志保とともに閉じ込められていて……『ソフトタッチ・オペレーション』の五編収録。

久々の神麻さんシリーズ♪しかも『無為侵入』では、神麻さんのお料理シーンがあり、嬉しかったりvv

<06/11/12,13>

『つぶらら 1』山名沢湖(双葉社)

2006-11-13 | 読了本(漫画)
とある地方の高校一年生・鈴置つぶら。唯一の楽しみは、夕方のテレビ番組に出ている少女アイドルグループ“キャラメル☆エンジェル”を応援することだが、大っぴらにその趣味を言えずにいた。
そんな彼女は、新しいクラスの空気を読み切れず、微妙に会話もぎこちない。しかしそんな彼女の様子をクラスメートたちはクール系のキャラだと勘違いしている様子。
そんなある日、つぶらは自宅のビデオデッキとテレビをうっかり壊してしまい、弁償する為バイトをすることに……

つぶら本人とクラスメートたちの勘違いとの落差が激しくて、ちょっと楽しいですね(笑)。

<06/11/13>

『アインシュタイン・ゲーム』佐飛通俊(講談社)

2006-11-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
1922年。アインシュタイン博士が来日した折、遭遇した衝撃的な事件……それは蔵で自殺した佐久本家当主・律を、使用人・茂助がバラバラに切り刻む、という残酷なものだった。その事件に関して“自殺ではない”と書き残したとされるアインシュタインの手記が遺されていという。
2003年。ライター兼探偵・ザナドゥ鈴木は、相対性理論を用いたアンチ・エイジングを売りとする怪しげなセミナーの実態調査を依頼され潜入するが、そこでその団体に手を貸していた南無井新二と、文化芸術振興推進事業会の主査・円桜池白冷と知り合う。
彼女の所属する組織は、南無井の父である蓼科の資産家・南無井存在の所有する館を文化財として保存しようとしていたのだが、急遽その建物を壊すといい出した為困り、新二に説得を頼みにきたのだが、結局逃げられてしまう。
その後、アインシュタインの手記の謎の解明を依頼されたザナドゥは、その文書が眠る、存在が経営する老舗ホテル・萩屋へ向かうが……。

エピローグのアインシュタインのくだりでは良いかなぁ、と思ったんですけどねぇ;
ペダントリィに溢れてるのは構わないのですが、そこにページを取られてる分、内容が薄いような……。

<06/11/11,12>

YASUNBA CAFE ・その2

2006-11-11 | カフェ・レストラン
今回はランチを食べにいってきました♪

サンドウィッチとパスタの2種類のランチがあるのですが、わたしが行った時には、あいにくサンドウィッチの方が既に品切れ;……ということで、今回はパスタランチ(笑)。
内容は、メインのパスタ(この日は、あさりのバター醤油パスタ)の他、サラダと飲み物とデザート付です。
全部そろってから写真を撮ろうと思っていたのですが、順番に出す方針なのか(お茶だけは、一緒か後か聞かれましたが)、サラダを食べ終わってから、パスタが出てきたので、一緒には撮れず;
サラダは、レタスメインで他には紫キャベツとかパプリカとかトマト等、パスタは、上に何故かヒジキも載っているのがユニークでした。
デザートは、シフォンケーキ(チョコ風味?)とバニラアイスの盛り合わせ。シフォンケーキがしっとり、ふわふわして美味しかったですvv
飲み物は、“おまかせHOTティー”をセレクト。この日は、キャラメルのフレーバーティーでした♪
茶葉の感じから(というかマリーゴールドの入り方が、ルピシアっぽい/笑)、ルピシアの『キャラメル』ではないかなぁと密かに思っていたり(ここ数年飲んでないので、自信なし/笑)。

パスタは、個人的に、他に種類があったら普段は選ばないものでしたが(貝類は面倒なので;)、美味しくいただけたので満足でしたvv



『あかね雲の夏』福田栄一(光文社)

2006-11-11 | 読了本(小説、エッセイ等)
入社2年目にして、勤務先であった旅行代理店が倒産。失業者となり、友人・杏子の部屋に世話になりつつ、ぼんやりと過ごしていた安宅俊太。
そんな彼の元に、父・昌史からかかってきた一本の電話……それは本家の当主である大叔母・千代子の死を告げるものだった。
葬儀への出席の為、帰省した俊太は、生前彼女が一人で住んでいたという赤根村にある屋敷の、ひと夏限りの住み込み管理人を引き受けたることに。
何もない田舎暮らしの中で、無愛想な少女・智穂と知り合うが……

さらりと読めるのですが、逆にひっかかりがなさ過ぎのような気も……もう少し何か乗り越えた感が欲しいです(障害が低過ぎ?)。

<06/11/11>