黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ルチアさん』高楼方子(フレーベル館)

2006-11-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
奥様と、二人の娘・スゥとルゥルゥ、二人のお手伝いさん・ヤンガさんとエルダさんが暮らす、たそがれ屋敷。
そんな家に新たにお手伝いさんとしてやってきた女性・ルチアさん。スゥとルゥルゥの目には、何故か彼女の身体が水色に輝いて見えていた。彼女たちが父からもらった、水色の玉のような、その光の秘密を探るべく、二人は家を抜けだし後をつけるが……

あらすじを見た感じでは、メアリー・ポピンズみたいな話なのかなぁと思っていたら、ちょっと意外な着地でびっくり(笑)。
スゥやルゥルゥにとっての“水色の玉”であり“ルチアさん”、ルチアさんにとっての“水色の実”である、“現実”から乖離した、夢や憧れといった“きらきらしたもの”。“危険”や“毒”を孕む、その思いの意味をとてもうまく表現されている、深い作品でした。

<06/11/10>