黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『アコギなのかリッパなのか』畠中恵(実業之日本社)

2006-01-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
突然押し付けられた腹違いの弟・拓を養うため、元大物国会議員・大堂剛の事務所『アキラ』で事務員として働いている、21歳の大学生・佐倉聖。ところがただの事務員のはずが、大堂が会長を務める、若手政治家の勉強会『風神雷神会』に所属する議員たちから次々に持ち込まれる問題を、解決するはめになってしまい……という連作短編集。

若手議員・大石梨花の後援者・羽生の家で飼っている猫の毛色が変わるという。早速、件の家に出かけた聖は、そこで三毛猫を見かける。ところが、飼われている猫は、茶々という名のトラ猫で……『五色の猫』、
『王子様』と呼ばれ、人気の若手政治家・加納聡(聖は彼が嫌い)。彼の地元の後援会幹部が、何者かに殴打される事件が発生て……『白い背広』、
議員・小島の秘書・酒井が、突然宗教団体へ入信。その際に、議員所有の絵画『月下の青』を持ち出し、宗教団体に寄進したことが発覚。それを奪還すべく、小島の女性秘書・真木瞳と共に乗り出した聖は……『月下の青』、
聖が助っ人にいった選挙事務所で、夫婦喧嘩をしていた夫婦。ダイエット中で甘いものを控えているはずの彼の体重が、選挙事務所を手伝うようになってから、一向に減らないのだという。しかし、事務所ではおやつは出しておらず、商店街では彼に甘いものを売らないように、妻が根回ししている。彼はいったいどこで食べているのか……『商店街の赤信号』、
事務所で2人の若者を預かることになった。どちらかが大堂の『子供』であるという噂もちらほら。そんな中、姿を消していた父が突然現れ、聖は気もそぞろ。しかも拓を連れて再び姿を消してしまい……『親父とオヤジとピンクの便せん』、
都議会議員選挙に立候補した大堂の秘書・小原和博の選挙事務所を手伝う聖と、選挙日の様子を描く『政治家事務所の一日』、『選挙速報と小原和博』を収録。

ミステリとしてはネタは弱めですが、題材は興味深く、各キャラも立ってて楽しく読めました♪
できればシリーズ化して欲しいですが、その場合、シリーズタイトルは、これじゃ長すぎですよねぇ(笑)。

<06/1/22>

『家賃』月村奎(新書館)

2006-01-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
中学教師の遼の前に、彼の勤める中学校の卒業生で、現在は人気アイドルグループのメンバー・望月和哉が現れた。問題を起こして雲隠れ中の和哉は、彼の担任教師ですらなかった遼をあるネタで脅し、強引にそのアパートに居座る。しかも居候ながら態度の大きな和哉。
ある日“家賃はカラダで払う”…という軽口を叩いていた彼が、本当に札束を持ってきた。それを見た遼は……『家賃』、
晴れて結ばれた2人。ひょんなことから、同じ誕生日であることが判明し、和哉はわくわくするが……続編『家賃+α』の2編。

『家賃』という、BL小説らしからぬ固いタイトル(笑)が、いかにも月村さんらしい感覚だなぁと思ったり。
繊細な心理描写が好きなのですが、そちらは今回いま一つ踏み込みが足りない感じかも;(月村さんの、他の作品を基準にすると)

<06/1/22>