黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『マヂック・オペラ ニ・ニ六殺人事件』山田正紀(早川書房)

2006-01-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
昭和11年。
乃木坂の置屋で芸者・照若が刺殺され、詳細は『“乃木坂芸者殺人事件”備忘録』と縊死した囚人の手による『感想録』に綴られていた。
上司の命令で、刑務所にいる“検閲図書館”黙忌一郎に会い、『押絵と旅する男』の映画を見た、特高の警部補・志村恭輔。
その映画で芥川龍之介に扮していた男・遠藤平吉も同じ刑務所内にいたが、彼は、自分が変装した人間と過剰に同化してしまい、ついには自らの存在すら消してしまうという特異な能力の持ち主であると知った志村。
さらに黙に見せられたニュース映画では、『押絵と旅する男』において、乱歩に扮していた男が元陸軍大臣・真崎甚三郎を演じていた。
黙からの依頼により、彼の正体を調べることになった志村は、やがて発覚していく陸軍『青年将校』の決起計画と、それを扇動する謎の人物の影に行き着くが……。

副題に『二・二六殺人事件』とあるように、二・二六事件の影に潜む真相に迫る歴史ミステリ。でもかなり乱歩風味な感じ(笑)。
オペラ3部作の2作目とのことですが、完結編となる3作目はどの辺が舞台になるのか気になります(笑)。

<06/1/19,20>