黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『かたみ歌』朱川湊人(新潮社)

2005-11-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
下町のアパートに越してきた幸二と比沙子。散歩に出かけた幸二は、”喜楽軒”というラーメン店を見つめる青年を見かける。そのラーメン店は、強盗に遭い店主が殺される事件が起きていた。幸二はその青年が犯人ではないかと思ったのだが……『紫陽花のころ』、
”カラスヤノアサイケイスケアキミレス”……少年・浅井啓介は、電柱にそんな自分の名の記されたおかしな貼り紙があったという噂を聞く。そして見え隠れする不思議な少年の影。彼の兄・秀則はその意図を察し……『夏の落し文』、
酒屋・サワ屋の邦子は、タイガースのサリーそっくりな青年に憧れを抱く。その彼が、古本屋・幸子書房で、ある本を立ち読みしているのを目撃し、その栞を介して文通を始めるが……『栞の恋』、
夫・靖男に殴られ続けた妻・豊子は、どんなに他から別れるように勧められても、彼と別れようとはしなかった。そんな彼が事故で亡くなり、娘の満智子と2人残されたのだが……『おんなごころ』、
漫画家を目指し上京した青年。そんな彼の元へやって来た猫とは……『ひかり猫』、
中古レコード店の店主は、自分が大学生の頃に経験した不思議な出来事を語る。それは、人の死に際してピンク色の何かが見えるということだった……『朱鷺色の兆』、
覚知寺の隣りのアパートに住む久美子。彼女が窓からよく見かける老人は、寺への参拝の際、いつも境内の石灯籠の穴を覗いていた……『枯葉の天使』の7編。。昭和3,40年代の下町・アカシア商店街を舞台にした連作短編集。

短編としては『栞の恋』『ひかり猫』あたりが好きですが、全体を通して登場する『幸子書房』のお話も良いですね~♪

<05/11/19>