742)オールトランス・レチノイン酸(ATRA)と分化誘導療法(その1):ビタミンD3とベザフィブラートとの相乗効果

図: ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)とビタミンD受容体(VDR)とレチノイン酸受容体(RAR)はそれぞれレチノイドX受容体(RXR)とヘテロダイマー(ヘテロ二量体)を形成して遺伝子のプロモーター領域の応答配列(ペルオキシソーム増殖因子応答配列とビタミンD応答配列とレチノイン酸応答配列)に結合して、それぞれの標的遺伝子の発現を誘導する。PPARとVDRとRARおよびRXRは細胞の増 . . . 本文を読む
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741)断酒薬ジスルフィラムの抗がん作用(その3):転用薬を組み合わせたがん代替療法

図:がん組織はがん細胞以外にマクロファージや線維芽細胞などの間質細胞が存在する(①)。がん組織中の線維芽細胞やマクロファージはケモカインや増殖因子を産生し(②)、がん細胞の受容体が刺激されて(③)、増殖や浸潤が亢進する(④)。ケモカインや増殖因子は骨髄の血管内皮前駆細胞や炎症細胞(マクロファージなど)をがん組織に動員する(⑤)。その結果、がん組織は血管の新生・増生や炎症性サイトカインの産生、酸化ス . . . 本文を読む
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740)断酒薬ジスルフィラムの抗がん作用(その2):プロテアソーム阻害と小胞体ストレス誘導作用

図: 2-デオキシ-D-グルコースは糖タンパク質の糖鎖の異常を引き起こし、メトホルミンとDCA(ジクロロ酢酸ナトリウム)はミトコンドリアからの活性酸素の産生を増やして酸化ストレスを引き起こし、変異タンパク質や折り畳み不全のタンパク質を増やし(①)、小胞体ストレスを誘導する(②)。これに対して、がん細胞はプロテアソーム(③)やオートファジー(④)のメカニズムによって異常タンパク質を分解して小胞体スト . . . 本文を読む
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739)断酒薬ジスルフィラムの抗がん作用(その1):アルデヒド脱水素酵素阻害作用

図:がん組織の中にはアルデヒド脱水素酵素1(ALDH1)を多く発現するがん細胞(ALDH1と記載)が存在する(①)。ALDH1の発現が多いがん細胞はがん幹細胞の性状を有し、抗がん剤耐性の性質を持つ(②)。ALDH1の発現が少ないがん細胞は抗がん剤で死滅しやすいが、ALDH1陽性のがん細胞は抗がん剤に抵抗性なので、生き残って増殖する(③)。がん幹細胞は腫瘍形成能を持つので、生き残ったALDH1陽性の . . . 本文を読む
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738)ミトコンドリア活性化によるCOVID-19重症化予防(その2):エネルギークライシス

図:新型コロナウイルスのSARS-CoV-2の感染によって肺炎(COVID-19)が発症する(①)。重症化すると敗血症や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や多臓器不全が起こり、究極的には細胞レベルのミトコンドリア呼吸の破綻が起こる(②)。活性酸素の産生が亢進して、ミトコンドリアの酸化傷害が引き起こされる(③)。ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+)の前駆体のニコチンアミド・リボシドやニコ . . . 本文を読む
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737)ミトコンドリア活性化によるCOVID-19重症化予防(その1):免疫老化の改善

図:加齢に伴ってリンパ球(T細胞やB細胞など)や貪食細胞(マクロファージや樹状細胞など)などの免疫細胞の機能が低下する(①)。これを免疫老化(Immunosenescence)と言う(②)。免疫老化によって感染症に罹りやすくなり、さらに感染が持続(遷延化)しやすくなる(③)。持続的感染は持続的な炎症反応(慢性炎症)を引き起こして、炎症性サイトカインの分泌が亢進する(④)。このような慢性炎症状態は組 . . . 本文を読む
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736)mTORC1活性の阻害をターゲットにしたがん治療

図:インスリンやインスリン様成長因子-1や成長ホルモンなどの増殖因子が細胞の受容体に作用するとPI3キナーゼ(PI3K)というリン酸化酵素が活性化され、これがAktというセリン・スレオニンリン酸化酵素をリン酸化して活性化する(①)。活性化したAktはTSC1/TSC2を阻害してRheb(Ras homolog enriched in brain)を活性化し、mTORC1を活性化する(②)。Aktは . . . 本文を読む
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735) がんになったら甘い果物は止めなさい(その2):フルクトース(果糖)は体に有毒である

図:穀物(米、小麦、トウモロコシ、イモ類など)に含まれる糖質はグルコースが多数結合したデンプンが主体。果物や清涼飲料水やケーキやアイスクリームなどにはグルコースやフルクトースのような単糖類と、グルコースとフルクトースから構成される蔗糖(スクロース)や異性化液糖(高フルクトース・コーンシロップ)が多く含まれる。グルコースに比べてフルクトースは血糖上昇作用やインスリン分泌刺激作用は弱い。しかし、甘味に . . . 本文を読む
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734)がんになったら甘い果物は止めなさい(その1):100%果物ジュースの摂取はがん発生を増やす

図:果物に多く含まれるフルクトース(果糖)は、細胞内で複数の経路で解糖系へ入り、グルコース(ブドウ糖)と同様にエネルギー産生や物質合成に使用される。フルクトースはグルコースより核酸(DNAやRNA)と脂肪酸の合成を促進する作用が強い。また、細胞内の糖タンパク質にフルクトースが取込まれると、その糖タンパク質の性状が変化し、がん細胞の浸潤や転移能が亢進するという報告もある。つまり、フルクトースとグルコ . . . 本文を読む
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733)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その5):医薬品再利用のまとめ

図:膠芽腫(グリオブラストーマ)を根治するには膠芽腫幹細胞を死滅しなければならいない。膠芽腫幹細胞を死ににくくしている幹細胞特性の維持には、HedgehogやNotchやWnt/βカテニンなど様々なシグナル伝達系が関与している。ケトン食や複数の既存の医薬品を組み合わせることによって、がん幹細胞特性維持に関与しているシグナル伝達系やタンパク質を阻害すると、膠芽腫幹細胞を死滅することができる . . . 本文を読む
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732)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その4):血管模倣と分化誘導療法

図:膠芽腫は様々なメカニズムで血流を確保している。がん細胞が既存の正常血管を利用することを共同オプション(Co-option)という(①)。がん細胞などからのVEGF(血管内皮細胞増殖因子)が血管内皮細胞に発現するVEGFR-2(VEGF受容体2)に結合すると血管内皮細胞が増殖し(②)、既存の血管が分岐・発芽して血管新生(Angiogenesis)が起こる(③)。ケモカインのCXCL12とその受容 . . . 本文を読む
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731)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その3):Notchシグナル伝達経路の阻害

図:シグナル送信側の細胞の表面に発現するNotchリガンドがNotch受容体に結合すると(①)、Notch受容体の構造変化を誘発し、ADMAファミリーのメタロプロテアーゼによってS2部位で切断される(②)。その結果できたNEXTフラグメントはγ-secretase複合体によってS3部位で切断され(③)、Notch細胞内ドメイン(NICD)ができる。NICDは細胞核内に入り、転写因子のC . . . 本文を読む
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730)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その2):Wnt/βカテニン・シグナル伝達経路の阻害

図:細胞質内でβ-カテニン(β-Cat)はリン酸化されてユビチキン化され、プロテアソームで絶えず分解されている(①)。Wntが受容体Frizzledとその共役受容体のLRP5/6に結合してWntシグナルが活性化されるとβ-カテニンの分解が阻止される(②)。その結果、細胞質と核内のβ-カテニンの量が増える(③)。β-カテニンは転写因子のTCF(T-c . . . 本文を読む
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729)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その1):CXCR4/ CXCL12シグナル伝達系とVEGF/VEGFR-2シグナル伝達系の阻害

図:膠芽腫の微小環境(①)では、炎症細胞やがん関連線維芽細胞がケモカインのCXCL12を分泌する(②)。CXCL12がケモカイン受容体のCXCR4(③)に結合することによって細胞内のシグナル伝達系が活性化される(④)。このCXCR4/ CXCL12シグナル伝達系の活性化は、がん細胞の増殖と運動性を亢進し、生存・浸潤・転移能を亢進し、がん幹細胞特性の維持を促進し、抗がん剤や放射線に対する抵抗性を亢進 . . . 本文を読む
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728)イトラコナゾールの抗がん作用(その2): がん幹細胞の幹細胞特性(Stemness)の阻害

図:がん組織には成熟したがん細胞(①)とがん幹細胞(②)が存在する。がん幹細胞は自己複製を行うと同時に、不均等分裂により一部が自己複製のサイクルから逸脱して通常のがん細胞となり、がん組織の成熟がん細胞の供給源となる(③)。抗がん剤治療や放射線治療(④)に対して、成熟したがん細胞が死滅しやすいが、がん幹細胞は抵抗性を示す(⑤)。がん幹細胞が生き残れば、がんはいずれ再燃・再発する(⑥)。イトラコナゾー . . . 本文を読む
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