606)乳酸はがん細胞の増殖や転移を促進する:乳酸リンゲルの点滴はがん転移を促進する?

図:がん細胞では、ブドウ糖(グルコース)の取込みと解糖系が亢進している(①)。解糖系亢進の結果、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が抑制され、あるいはミトコンドリア機能の低下による酸化的リン酸化の抑制が解糖系亢進を増強している(②)。解糖系亢進と酸化的リン酸化の抑制によって乳酸産生が亢進している(③)。がん細胞で作られた乳酸は、肝臓や腎臓やがん間質細胞で糖新生によってブドウ糖に変換されてがん細胞に再 . . . 本文を読む
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605)ケトン体とミトコンドリアと寿命延長:グルコース利用を阻害すると寿命が延びる

図:2−デオキシ-D-グルコース(2-DG)は細胞内でヘキソキナーゼ(HK)によって6位がリン酸化されて2-デオキシ-D-グルコース-6リン酸(2-DG-6-PO4)になる。2-DG-6-PO4は解糖系の酵素で代謝できないので細胞内に蓄積し、ヘキソキナーゼ(HK)とホスホグルコースイソメラーゼ(PGI)を阻害してグルコースの解糖系での代謝を阻害する。その結果、脂肪酸のβ酸化が . . . 本文を読む
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604)がんの『水素ガス吸入療法』(その2):水素はミトコンドリアを活性化する

図:カロリー制限は細胞内エネルギーの低下によってAMP/ATP比とNAD+/NADH比を高める(①)。AMP/ATP比の上昇はAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化し(②)、NAD+/NADH比の上昇はサーチュイン1(Sirtuin 1)を活性化する(③)。サーチュイン1はセリン・スレオニン・キナーゼのLKB1を脱アセチル化によって活性化し、LKB1はAMPK(AMP活性化プロテインキ . . . 本文を読む
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603)がんの『水素ガス吸入療法』(その1):水素はがん微小環境をターゲットにする

図:がん組織にはがん細胞だけでなく、がん細胞の周囲の間質組織には炎症細胞や免疫細胞や線維芽細胞や血管などが存在して「がん微小環境」を形成している(①)。がん関連線維芽細胞や炎症細胞などからサイトカインや増殖因子が産生され(②)、がん細胞の増殖や浸潤や転移を促進している(③)。水素ガスは免疫細胞を活性化してがん細胞の排除を促進し(④)、がん細胞のシグナル伝達系に作用して増殖・転移を抑制する作用がある . . . 本文を読む
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602)がんの酸化治療(その3):がん細胞の抗酸化力を低下させる方法

図:ミトコンドリアの酸化的リン酸化で活性酸素種が産生される(①)。細胞は活性酸素種を消去するためにグルタチオンやチオレドキシンなどの抗酸化システムを持っている(②)。酸化したグルタチオンとチオレドキシンを還元するための還元剤(NADPH)はペントースリン酸経路から供給される(③)。2−デオキシ-D-グルコース(2-DG)はヘキソキナーゼ(HK)によって2-DG-6リン酸(2-DG-6- . . . 本文を読む
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