591)シスプラチン耐性を阻止する酸化治療

図:シスプラチンはDNA鎖に結合してDNA架橋(クロスリンク)を形成し(①)、DNA複製と転写を阻害し(②)、細胞周期を停止し、細胞死を誘導する(③)。がん細胞はDNA修復能を高めてシスプラチン抵抗性になる(④)。DNA修復はエネルギーを消費するので、解糖系を阻害する2-デオキシグルコース(2-DG)とミトコンドリアの呼吸酵素を阻害するメトホルミンはATP産生を抑制することによってDNA修復を阻止 . . . 本文を読む
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590)がんの「クエン酸療法」:クエン酸は多彩なメカニズムでがん細胞の増殖を抑える

図:解糖系の律速酵素の一つであるホスホフルクトキナーゼ(フルクトース6-リン酸をフルクトース1,6-ビスリン酸に変換する)はグルコース代謝の生成物質であるクエン酸(①)とATP(②)によってフィードバック阻害を受ける。外来性に摂取したクエン酸もホスホフルクトキナーゼを阻害して解糖系を阻害する(③)。さらに、クエン酸はリンパ球のT細胞の活性化(④)、細胞内の増殖シグナル伝達系の阻害(⑤)、スーパーオ . . . 本文を読む
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589)酸素ナノバブル水(その2):放射線治療の酸素効果

図:放射線がDNAを構成する分子の電子をはじき飛ばす(電離)ことによって、直接的にDNAのダメージを引き起こす(①)。さらに、放射線は組織の水分子(H2O)を電離してヒドロキシルラジカル(OH・)を発生し、このヒドロキシルラジカルがDNA分子に間接的にダメージを与える(②)。酸化したDNA分子は、酸素が無い条件では還元されて元に戻って修復されるが、酸素分子(O2)が存在すると、放射線照射によって生 . . . 本文を読む
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588)酸素ナノバブル水(その1):酸素ナノバブル水と有酸素運動はがん組織の低酸素状態を改善する

図:がん組織は血管網が不完全なため、血管から離れたがん細胞は低酸素状態に陥っている(①)。低酸素のがん細胞は低酸素誘導因子-1(HIF-1)の発現と活性が亢進している(②)。その結果、がん細胞の浸潤能と転移能は亢進し、細胞死(アポトーシス)に抵抗性になり、放射線治療や抗がん剤治療に抵抗性(感受性の低下)になっている(③)。酸素ナノバブル水や有酸素運動はがん組織の低酸素を改善することによって、放射線 . . . 本文を読む
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587)乳がんの術前補助化学療法で転移が促進される?

図:(上)がん原発巣から運動能(移動能)が亢進したがん細胞が遊走して、血管に侵入するために血管内皮細胞と接触する(①)。がん細胞が血管内に侵入する際には、血管新生を促進するアンジオポエチンの受容体のTie2と血管内皮細胞増殖因子A(VEGFA)を高発現する血管周囲マクロファージ(腫瘍関連マクロファージの1種)が手助けする(②)。このがん細胞とマクロファージと血管内皮細胞の3者が密に接した部分はがん . . . 本文を読む
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586)抗がん剤治療による心臓毒性

図:乳がんの治療で使用される抗がん剤には心臓に毒性のあるものが多い。左乳房の放射線照射では心臓が放射線によるダメージを受ける場合もある。米国心臓協会(American Heart Association)は「乳がん患者は治療に伴う心臓毒性を認識しなければならない」と注意喚起している。 586)抗がん剤治療による心臓毒性 【抗がん剤による心臓毒性】
抗がん剤の副作用としては、白血球や血小板が減少 . . . 本文を読む
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585)がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法(その3):がん幹細胞とアルデヒド脱水素酵素と断酒薬ジスルフィラム

図:(上)がん組織は様々な性質のがん細胞から構成されている。抗がん剤投与によって多くのがん細胞は死滅するが、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)を発現しているがん細胞(図中でALDHと記載)は抗がん剤に耐性を示して生き残る(①)。さらに抗がん剤を投与しても、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の発現の高いがん細胞は抗がん剤に耐性を示すので、抗がん剤治療に生き残って増殖する。増殖したがん細胞はアルデヒド脱水 . . . 本文を読む
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584)がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法(その2):Nrf2を阻害するメトホルミンと漢方薬

図:放射線や抗がん剤は、活性酸素の産生を高めて酸化ストレスを亢進し、細胞の酸化傷害を引き起こして細胞死を誘導する(①)。酸化ストレスを軽減するために転写因子のNrf2の活性を亢進し、グルタチオンやチオレドキシン・システムを亢進して活性酸素による酸化傷害に抵抗する(②)。アルテスネイト、半枝蓮(はんしれん)、高濃度ビタミンC点滴は細胞内の活性酸素の産生を高める(③)。ジクロロ酢酸ナトリウムはミトコン . . . 本文を読む
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583)がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法(その1): 2-デオキシグルコース+ジクロロ酢酸+メトホルミン

図:グルコースが解糖系で代謝されてピルビン酸に変換された後、ピルビン酸脱水素酵素によってミトコンドリア内でアセチルCoAに変換される(①)。アセチルCoAはミトコンドリア内でTCA回路と呼吸酵素複合体における酸化的リン酸化によってATPが産生される(②)。R体αリポ酸とビタミンB1はピルビン酸脱水素酵素の活性に必要な補因子であり(③)、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼはピルビン酸脱水素酵素をリン酸化し . . . 本文を読む
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582)健康寿命を延ばすミトコンドリア活性化法

図:老化すると全身の細胞のミトコンドリアの量と機能が低下する。細胞分裂しない筋肉や心筋細胞や神経細胞では、ミトコンドリア機能の低下によって、筋肉量の減少や心機能の低下や認知症を引き起こす(①)。筋肉量の減少や心臓機能の低下は最大酸素摂取量を低下させ、歩行速度や歩行距離や持久力を低下させる(②)。細胞分裂している多くの細胞では、ミトコンドリア機能の低下はミトコンドリアでの酸化的リン酸化の低下、解糖系 . . . 本文を読む
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581)抗がん剤依存症:なぜ死の間際まで抗がん剤治療を受けるのか

図:終末期に抗がん剤治療を受けた患者は、受けなかった患者よりも、集中治療室(ICU)で亡くなる頻度が高く、死亡時に心肺蘇生や人工呼吸器の装着を受けることが多い。末期がんで抗がん剤治療を受けた患者は自宅で看取られる率が低く、ホスピスや自宅など自分が希望した場所で亡くなる可能性が低い。終末期の抗がん剤治療は生存期間を延ばさない。つまり、余命数ヶ月の末期がん患者に抗がん剤治療を行うと、「延命効果はなく、 . . . 本文を読む
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580) がん再発予防における補助化学療法 vs 漢方治療

図:がん組織は氷山の一角であり、水面下にはがんになりやすい体質をいう大きな山が潜んでいる。がん組織を除去しても、体の治癒力を低下させる要因や、がんの発生を促進させる要因が改善されない限り、再びがんが発生(再発)してくる。漢方治療はがんになりやすい体質をターゲットに治療を行なうことによってがんの発生や再発を防ぐ効果を発揮する。 580) がん再発予防における補助化学療法 vs 漢方治療 【抗がん . . . 本文を読む
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579) ミトコンドリアを元気にしてがんを消す(その3):乳酸シャトルと有酸素運動

図:がん細胞の多くは酸素を使わない解糖系での糖代謝が亢進している(①)。この場合、グルコーストランスポーター(GLUT)から取り込まれたグルコースは解糖系でピルビン酸に変換され、ピルビン酸は乳酸脱水素酵素A(LDH-A)によって乳酸に変換される(②)。乳酸はプロトン(H+)と一緒にモノカルボン酸トランスポーター4(MCT4)によって細胞外に排出される(③)。がん組織の中にはミトコンドリアでの酸素呼 . . . 本文を読む
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578) ミトコンドリアを元気にしてがんを消す(その2):乳酸はがんを促進する

図:がん細胞では、ブドウ糖(グルコース)の取込みと解糖系が亢進している(①)。解糖系の亢進の結果、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が抑制され、あるいはミトコンドリアDNAの変異などによるミトコンドリア機能の低下による酸化的リン酸化の抑制が解糖系亢進を増強している(②)。解糖系亢進と酸化的リン酸化の抑制により乳酸産生が亢進している(③)。この乳酸産生が細胞のがん化や、がん細胞の悪性進展の促進に関わっ . . . 本文を読む
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577)ミトコンドリアを元気にしてがんを消す(その1):正常なミトコンドリアはがん細胞の悪性形質を抑制する

図:(上)細胞のがん化と悪性進展は、ゲノムDNAの遺伝子変異の蓄積によって引き起こされるという「体細胞突然変異説」が腫瘍生物学の研究者のコンセンサスになっている。しかし、この考えだけでは説明できない研究結果も数多く報告されている。(下)細胞核のゲノムDNAとミトコンドリアDNA(mitDNA)は相互に制御し合っている。酸化的リン酸化に関与する呼吸酵素複合体の85種類のサブユニットのうち13種類のタ . . . 本文を読む
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