440)パルミトイルエタノールアミド(その1):肥満細胞とPPARαとカンナビノイド

図:肥満細胞(マスト細胞)はヒスタミンなどの炎症性メディエーターが詰まった顆粒を持っている。肥満細胞が活性化され、「脱顆粒」によって顆粒内部の炎症性メディエーターが遊離すると炎症反応やアレルギー反応が引き起こされる。脂肪酸エタノールアミドのパルミトイルエタノールアミドは肥満細胞のPPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)に作用して脱顆粒を抑制して、抗炎症作用を示す。さらに、アナンダミドの . . . 本文を読む
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439)ニューロンとグリア細胞とカンナビノイド

図:神経組織には神経細胞(ニューロン)とそれを支える神経膠細胞(グリア細胞)が存在する。グリア細胞は主に、アストロサイト(星状膠細胞)、オリゴデンドロサイト(乏突起膠細胞)、ミクログリア(小膠細胞)の3種類がある。神経変性疾患ではこれらのグリア細胞が重要な関与をしている。アストロサイトとオリゴデンドロサイトからは悪性腫瘍(グリオーマ)が発生する。神経変性疾患とグリオーマの治療に大麻の有効性が報告さ . . . 本文を読む
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438) フェノフィブラートの抗がん作用(その2):腫瘍抑制性マイクロRNAの発現誘導作用

図:高脂血症治療薬のフェノフィブラートはPPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)に依存するメカニズムで、がん細胞の解糖系を阻害し、脂肪酸β酸化を亢進してワールブルグ効果を抑制する。さらに、インスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)で活性化されるAkt活性を阻害する。このAkt 活性化阻害と、PPARα非依存性のメカニズムで転写因子F . . . 本文を読む
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437) フェノフィブラートの抗がん作用(その1):PPARとカンナビノイド受容体の相互作用

図: ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPARα)とビタミンD受容体(VDR)はそれぞれレチノイドX受容体(RXR)とヘテロダイマー(ヘテロ二量体)を形成して遺伝子のプロモーター領域の応答配列(ペルオキシソーム増殖因子応答配列とビタミンD応答配列)に結合して、それぞれの標的遺伝子の発現を誘導する。これらの転写因子は、細胞の増殖や細胞死(アポトーシス)や分化に関連する遺伝子の発現を調節してい . . . 本文を読む
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436)β-カリオフィレンとカンナビジオールの相乗効果

図:大麻(マリファナ)や農業用大麻(ヘンプ)に含まれるカンナビジオールはヒスタミン受容体の5-HT1Aやペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)、TRPVなどへの作用やカンナビノイド受容体タイプ2(CB2)へ作用して生理作用を発揮する。黒こしょうなどの香辛料やコパイバや大麻の精油に含まれるセスキテルペンのβ-カリオフィレンはCB2の選択的アゴニストとして作用す . . . 本文を読む
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