359)胃酸分泌阻害剤(プロトンポンプ阻害剤)は抗がん剤や免疫療法の効き目を高める

図:がん細胞は解糖系によるグルコース代謝が亢進して乳酸が蓄積する。乳酸がイオン化して水素イオン(プロトン、H+)の量が増えるので細胞内のpHは低下する(酸性になる)。細胞内の酸性化は細胞にとって障害になるので、細胞はV型ATPアーゼ(vacuolar ATPase:液胞型ATPアーゼ)やMonocarboxylate transporter(MCT)などの仕組みを使って、細胞内の乳酸や水素イオン( . . . 本文を読む
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358)インドナガコショウ(Piper longum)に含まれるpiperlongumineの抗がん作用

図:インドナガコショウ(Piper longum)はコショウの一種で香辛料として使用されているが、インド伝統医学のアーユルヴェーダや中国医学では病気の治療に古くから利用されている。漢方では「畢撥(ヒハツ)」という名前の生薬として使用されている。これに含まれるピペルロングミン(Piperlongumine)というアルカロイドはがん細胞のグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどの抗酸化酵素を特異的に阻 . . . 本文を読む
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357)ジェームズ・ワトソンとがん治療:②抗酸化剤ががんを促進する?!

図:放射線や多くの抗がん剤は活性酸素種を産生してがん細胞にダメージを与えて死滅させる。したがって、このような治療を行っているときに抗酸化剤を併用すると細胞を死滅させる効果が減弱する。がん細胞、特にがん幹細胞は、活性酸素種を消去するグルタチオンの細胞内レベルが高く、抗酸化酵素の発現を誘導する転写因子のNrf2の活性が高いので、活性酸素種によるダメージに抵抗性を示す。したがって、がん細胞の抗酸化力を減 . . . 本文を読む
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356)ジェームズ・ワトソンとがん治療:①代謝異常をターゲットにしたがん治療

図:ジェームズ・ワトソンは1953年にフランシス・クリック(左端写真の中の右側の人物)とともにDNAの二重螺旋構造を解明し、1962年にノーベル賞を受賞した。1968年にコールド・スプリング・ハーバー研究所の所長になってからはがん研究に集中している。最近の講演や論文などで図の下に示すような内容を発言している。(右端の写真は最近の写真で、その左はノーベル賞受賞時頃の写真) 356)ジェームズ・ワト . . . 本文を読む
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