図:大腸内で食物繊維が酪酸菌で分解・発酵されて短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)が産生される(①)。短鎖脂肪酸は悪玉菌(腐敗菌)の増殖を抑え、善玉菌(有用菌)の増殖を促進する(②)。善玉菌と短鎖脂肪酸(特に酪酸)は腸内環境を良くするように腸内細菌叢の組成を変え、免疫細胞の働きを活性化する(③)。その結果、免疫チェックポイント阻害剤などの免疫療法の効き目を高め(④)、奏功率を上昇し延命効果を . . . 本文を読む
図:腸内の悪玉菌(腐敗菌)は腸内のタンパク質やアミノ酸を腐敗させて有害物質を作り(①)、体の治癒力を低下し、発がんを促進する(②)。オクラや海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維(③)は、乳酸菌やビフィズス菌や酪酸菌によって発酵され、短鎖脂肪酸(⑤)や乳酸(⑥)を作る。短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)のうちの酪酸は遺伝子発現に作用して、がん細胞の分化誘導と細胞死誘導、細胞増殖抑制、抗炎症作用など . . . 本文を読む
図:上皮成長因子受容体(EGFR)の変異を有する非小細胞肺がん患者の治療において、無増悪生存期間の中央値は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤単独投与群(n=61)では8.8ヶ月、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤に漢方治療を併用した群(n=90)では13ヶ月であった。漢方薬の併用はEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の無増悪生存期間を有意に延長した。(ハザード比 = 0.59、95%信頼区間 = 0.33&n . . . 本文を読む
図:七叶一枝花(Paris polyphylla)は中国やインドやチベットなどに分布するユリ科の多年草で、その根茎はがんや感染症や蛇咬傷など様々な病気の治療に古くから使用されている。抗がん作用を示す成分としてステロイドサポニンのpolyphyllin Dが最も研究されている。さらにDiosgenin、Paris saponins I, II, VI, VII, Hなど多くの成分に、がん細胞の増殖・ . . . 本文を読む
図:がん細胞は周囲の正常組織を破壊し、炎症反応を引き起こす(①)。抗がん剤や放射線治療はがん組織だけでなく正常組織にもダメージを与えて炎症反応を増悪する(②)。組織破壊とそれに伴う炎症反応はIL-1、 IL-6、 TNF-αなどの炎症性サイトカインやプロスタグランジンE2の産生を増やし(③)、食欲低下や栄養障害や体重減少を引き起こしてがん性悪液質を引き起こす(④)。ドコサヘキサエン酸( . . . 本文を読む