384)寿命を延ばすがん治療(その④):メトホルミン

図:メトホルミンはミトコンドリアの電子伝達系の呼吸酵素を阻害する作用と解糖系のヘキソキナーゼを阻害する作用によってATPの産生を減らし、AMP/ATP比が増加することによってAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が活性化される。AMPKはインスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)によって活性が亢進するmTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)を抑制する。 384)寿命を . . . 本文を読む
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383)寿命を延ばすがん治療(その③):ラパマイシン(2)

図:哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1(mTORC1)の活性亢進は、分裂している(細胞周期を回っている)細胞に対しては、増殖や成長を促進する。一方、細胞分裂を停止したG0期の細胞に対しては老化した細胞(分裂能を完全に喪失した細胞)への移行を促進する。成長期にはmTORC1の活性化は成長を促進するので有用であるが、成長と生殖が終了した後はmTORC1の活性亢進は老化とがん化を促進して、様々な老 . . . 本文を読む
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382)寿命を延ばすがん治療(その②):ラパマイシン(1)

図:mTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)は細胞のがん化と老化の両方に関与している。栄養素(グルコースやアミノ酸など)、インスリン、インスリン様成長因子、その他の増殖因子はmTORC1シグナル伝達系を活性化し、細胞の成長や細胞周期(細胞分裂した細胞が再び分裂を起こすまでの過程)の進行を促進する。遺伝子変異などによって細胞周期の制御に異常が起こり、止めどなく細胞分裂を行うようになっ . . . 本文を読む
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381)寿命を延ばすがん治療(その①):2-デオキシ-D-グルコース

図:2−デオキシ-D-グルコース(2-DG)はグルコースの2位の水酸基(OH)が水素原子(H)に置換したグルコース類縁体で、グルコースと同じようにグルコーストランスポーター(GLUT)を通って細胞内に入る。グルコースはヘキソキナーゼでグルコース-6-リン酸に変換されてさらに解糖系酵素で分解されてATP産生へ使われ、あるいはペントースリン酸回路で核酸やNADPHの合成に利用される。一方、 . . . 本文を読む
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