871)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その4): 抗がん剤が血行性転移を促進する

図:(上)がん原発巣から運動能(移動能)が亢進したがん細胞が血管に侵入するために血管内皮細胞と接触する(①)。がん細胞が血管内に侵入する際には、血管新生を促進するアンジオポエチンの受容体のTie2と血管内皮細胞増殖因子A(VEGFA)を高発現する血管周囲マクロファージ(腫瘍関連マクロファージの1種)が手助けする(②)。このがん細胞とマクロファージと血管内皮細胞の3者が密に接した部分はがん細胞が血管 . . . 本文を読む
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870)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その3): ケモカインが増殖と転移を促進する

図:抗がん剤治療によってがん組織はダメージを受ける(①)。ダメージを受けた組織を修復するために、がん組織中の線維芽細胞からケモカインや増殖因子が産生される(②)。がん細胞はケモカインや増殖因子に対する受容体が刺激され、増殖が亢進する(③)。ケモカインや増殖因子は骨髄の血管内皮前駆細胞や炎症細胞(マクロファージなど)をがん組織に動員する(④)。その結果、抗がん剤でダメージを受けたがん組織は血管の新生 . . . 本文を読む
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869)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その2): アポトーシス細胞ががん幹細胞の再増殖を促進するフェニックス・ライジング(不死鳥復活)

図:がん細胞が放射線照射や抗がん剤で強いダメージを受けるとアポトーシス経路が活性化され(①)、最終的にアポトーシスを実行するカスパーゼ3と7が活性化されて(②)、細胞死(アポトーシス)が誘導される(③)。活性化したカスパーゼ3と7は細胞のホスホリパーゼA2を切断して活性化し(④)、細胞膜のリン脂質からアラキドン酸を産生し(⑤)、がん細胞に過剰に発現しているシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)によ . . . 本文を読む
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868)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その1):多倍体巨大がん細胞 (Polyploid giant cancer cell)の出現

図:抗がん剤や放射線照射によってがん細胞が遺伝子毒性の強いストレスを受けると(①)、多くのがん細胞は死滅してがん組織は縮小する(②)。しかし、一部のがん細胞は多倍体あるいは多核の巨大がん細胞になる(③)。この巨大がん細胞は増殖能を喪失しているが代謝的に活性であり、SASP (senescence-associated secretory phenotype : 老化関連分泌表現型)と呼ばれる様々な . . . 本文を読む
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