730)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その2):Wnt/βカテニン・シグナル伝達経路の阻害

図:細胞質内でβ-カテニン(β-Cat)はリン酸化されてユビチキン化され、プロテアソームで絶えず分解されている(①)。Wntが受容体Frizzledとその共役受容体のLRP5/6に結合してWntシグナルが活性化されるとβ-カテニンの分解が阻止される(②)。その結果、細胞質と核内のβ-カテニンの量が増える(③)。β-カテニンは転写因子のTCF(T-c . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

729)膠芽腫(グリオブラストーマ)の代替療法(その1):CXCR4/ CXCL12シグナル伝達系とVEGF/VEGFR-2シグナル伝達系の阻害

図:膠芽腫の微小環境(①)では、炎症細胞やがん関連線維芽細胞がケモカインのCXCL12を分泌する(②)。CXCL12がケモカイン受容体のCXCR4(③)に結合することによって細胞内のシグナル伝達系が活性化される(④)。このCXCR4/ CXCL12シグナル伝達系の活性化は、がん細胞の増殖と運動性を亢進し、生存・浸潤・転移能を亢進し、がん幹細胞特性の維持を促進し、抗がん剤や放射線に対する抵抗性を亢進 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

728)イトラコナゾールの抗がん作用(その2): がん幹細胞の幹細胞特性(Stemness)の阻害

図:がん組織には成熟したがん細胞(①)とがん幹細胞(②)が存在する。がん幹細胞は自己複製を行うと同時に、不均等分裂により一部が自己複製のサイクルから逸脱して通常のがん細胞となり、がん組織の成熟がん細胞の供給源となる(③)。抗がん剤治療や放射線治療(④)に対して、成熟したがん細胞が死滅しやすいが、がん幹細胞は抵抗性を示す(⑤)。がん幹細胞が生き残れば、がんはいずれ再燃・再発する(⑥)。イトラコナゾー . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

727)イトラコナゾールの抗がん作用(その1): コレステロール細胞内輸送の阻害

図:血液中のコレステロール(低密度リポタンパク質(LDL)-コレステロール)は、細胞膜のクラスリン被覆ピット(clathrin-coated pits)のLDL受容体に結合し、エンドサイトーシスを介して細胞内に移行する(①)。 その後、エンドソームは成熟し(②)、リソソームと融合する(③)。リソソームでは、リソソームの酵素によって遊離コレステロールが細胞質へ放出され、細胞小器官(小胞体、ゴルジ、ミ . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

726) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)と小胞体ストレス

図:リボソームで合成されたタンパク質は小胞体で折り畳みを受けて正常な機能を持ったタンパク質になる(①)。遺伝子変異や活性酸素や慢性炎症や虚血や老化などは折り畳み不全の異常タンパク質を増やし(②)、小胞体ストレスを引き起こす(③)。小胞体内で折り畳み不全の異常タンパク質が増えると、小胞体内に異常タンパク質が凝集して蓄積し(④)、細胞死が誘導される(⑤)。細胞は小胞体ストレス応答によってタンパク質の合 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )