615)がんの酸化治療とフェロトーシス:アルテスネイトと高濃度ビタミンC点滴の相乗効果

図:がん細胞はトランスフェリン受容体の発現が多く、細胞内に鉄を多く取り込んでいる(①)。抗マラリア薬のアルテスネイトは分子内にエンドペルオキシド・ブリッジ(endoperoxide bridge)を有し、これは鉄イオンやヘムと反応してフリーラジカルを発生する(②)。高濃度ビタミンC点滴はがん組織やがん細胞内において過酸化水素を発生し、過酸化水素は鉄イオンと反応すると酸化作用の強いヒドロキシル・ラジ . . . 本文を読む
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614)好中球対リンパ球比(NLR)の高値はがん患者の予後不良を予測する

図:血液中の白血球は、骨髄で生成される好中球、好酸球、好塩基球、単球と、リンパ系組織で生成されるリンパ球に分類される。これらの5種類の白血球が全体の中でどれくらいの割合になるのかを示したものが白血球分画と呼ばれる(①)。体内に炎症があると、白血球分画における好中球対リンパ球比(Neutrophil-to-Lymphocyte Ratio:NLR)が高くなる。多くのがんにおいて、NLRが高いほど予後 . . . 本文を読む
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613)硫酸ヒドラジン:葬り去られた「がんの特効薬」?

図:がん細胞ではグルコース(ブドウ糖)の取込みが増え、解糖系が亢進し乳酸の産生が増えている(①)。乳酸は肝臓や腎臓やがん組織の間質細胞などで糖新生によってグルコースへ変換されて、がん細胞に再利用される(②)。がん細胞はアミノ酸のグルタミンの取込みも増えており、グルタミン酸からαケトグルタル酸に変換されてTCA回路に入り(③)、その50%くらいが乳酸に変換されると報告されている。がん細胞 . . . 本文を読む
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612)白花蛇舌草+半枝蓮+雲南重楼による抗がん作用の相乗効果

図:白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ)にはウルソール酸やオレアノール酸などの五環系トリテルペノイドなどの成分による抗腫瘍活性が報告されている(①)。半枝蓮(ハンシレン)に含まれる様々なフラボノイドやアルカロイドは抗炎症作用や抗がん作用が知られている(②)。雲南重楼の根茎に含まれるサポニン類(重楼サポニン)は、がん細胞の増殖抑制や細胞死誘導などの直接的な抗がん作用が報告されている(③)。これらの3種 . . . 本文を読む
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