図:がん患者に起こる倦怠感は様々な要因が関連しているので、その治療は多方面からのアプローチが必要である。西洋医学の一般的な治療に加えて、それぞれの原因に対応する漢方薬を利用することも有用である。
37)倦怠感を改善する漢方治療
【がん患者の倦怠感は多くの要因が関与】 倦怠感というのは、心身が非常に疲れて、「体がだるい」という疲れやすさや脱力感、「やる気が出ない」という精神的疲労感を自覚すること . . . 本文を読む
図:七叶一枝花は茎の上端に7片の長楕円形の葉が輪生するユリ科の薬草。中国では、その根をがん治療に多く使用している。
36)七叶一枝花の抗がん作用
七叶一枝花(シチヨウイッシカ:学名 Paris polyphylla)は中国各地に分布しているユリ科の多年草です。高さ30~100cm、直径約1cmの直立の茎の上端に、通常7片の長楕円形の葉が輪生し(写真)七葉一枝花とも書きます。雲南重楼(学名:Pa . . . 本文を読む
図:西洋医学の治療法は、科学的な根拠を最重要視し、普遍性と再現性を重視する。一方、漢方医学では、臨床経験に基づいた個別性や偶然性をも考慮した治療法を体系化している。このような考え方の違いが、お互いの医療が補完しあう理由であり、西洋医学と漢方医学を併用した統合医療の根拠となる。
35)「科学的根拠」と「常識」の違い
【伝統医学や経験医学の全てを科学で説明することは限界がある】医学において「科学的 . . . 本文を読む
図:喜樹という樹木から抗がん作用をもったカンプトテシンが発見され、それを基に抗がん剤のイリノテカンが開発された。
34)喜樹とイリノテカン
中国の雲南省ではヌマミズキ科のカンレンボク(旱蓮木)が街路樹として植えられています。カンレンボクの別名は喜樹と言い、その木からカンプトテシンという抗がん作用を持つ成分が発見され、この物質の類縁物質が化学的に合成されて抗がん剤のイリノテカン(略号CPT-11 . . . 本文を読む