59) 中国医学の成り立ち:「虚」を補う思想が漢方を発達させた。

図:『神農本草経』は中国医学の三大古典の一つで、365種類の動・植・鉱物薬の薬効を記載している薬物学書。神農は伝説上の皇帝で、多くの薬草を自ら服用してその効能と毒性を確かめ、そのため1日に70回も中毒したという。これは古代中国からの数限りない中国人の経験の集積を、一人物の業績になぞらえて神話化したものである。 59) 中国医学の成り立ち:「虚」を補う思想が漢方を発達させた。 【病気の苦しみから . . . 本文を読む
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58) 抗がん剤の神経障害を緩和する漢方薬

図:微小管は細胞が分裂する時に染色体の移動に必要なため、微小管の形成を妨げると細胞分裂が阻害される。また、神経細胞の信号を伝達する軸索の中にも微小管があり、軸索の発育や物質の輸送に関連している。したがって、微小管をターゲットにする抗がん剤は、その副作用としてしびれや感覚低下や痛みなどの末梢神経障害の副作用が問題になる。 58) 抗がん剤の神経障害を緩和する漢方薬 【抗がん剤による神経障害】 現 . . . 本文を読む
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57) 抗がん剤の副作用を軽減する漢方薬

図:漢方治療は、体の抵抗力や治癒力を高めることにより、抗がん剤治療の欠点を補うことを目標とする。がん細胞を攻撃する抗がん剤と、体の抗がん力を高める漢方治療を併用することによってがん治療の効果を高めることができる。 57) 抗がん剤の副作用を軽減する漢方薬 【抗がん剤で正常組織もダメージを受ける】 抗がん剤はがん細胞だけでなく、骨髄細胞や免疫組織や消化管粘膜など細胞分裂の盛んな組織にもダメージを与 . . . 本文を読む
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56) 乾燥して刻んだ生薬を煎じる理由

図:漢方薬は通常、乾燥させて刻んだ生薬を熱湯で30~60分間くらい煎じて、抽出したエキスを服用する。乾燥して刻んだ生薬を煎じることで、薬効成分を効率良く抽出し、利用することができる。 56) 乾燥して刻んだ生薬を煎じる理由 野菜や果物には、免疫力を高める成分、活性酸素やフリーラジカルの害を防ぐ成分、発がん物質を不活性化する成分、がん細胞の増殖を抑える効果をもつ成分などが多く見つかっており、これら . . . 本文を読む
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55) 高麗人参のエストロゲン様作用について

図:高麗人参の主要な活性成分であるジンセノサイドは、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を有し、エストロゲンと同じような作用を示すフィトエストロゲン(植物エストロゲン)の一種と考えられている。エストロゲン依存性の乳がん患者には高麗人参の使用は注意すべきという警告がなされているが、その科学的根拠は議論があり、必ずしもコンセンサスは得られていない。 55) 高麗人参のエストロゲン様作用について 高 . . . 本文を読む
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54) がん患者のTh1サイトカイン産生を高める漢方薬

ヘルパーT前駆細胞(Th0)は1型ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパーT細胞(Th2)に分かれ、Th1細胞は細胞性免疫に関与し、Th2細胞は液性免疫に関与します。Th1とTh2は一方が高まれば他方が低下する相反する関係にあります。がん細胞を攻撃するのはTh1細胞です。十全大補湯のような補剤や、血液循環や新陳代謝を良くする駆お血薬や、炎症やがん性悪液質を改善する清熱解毒薬などを組み合わせることによって、より有効にTh1優位の抗腫瘍免疫を増強できます。 . . . 本文を読む
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53) 煎じ薬とエキス剤

図:天然薬物由来の複数の生薬を病気や症状を改善するように組み合わせ、熱水で抽出した煎じ液を服用するのが漢方薬の本来の方法である。生薬を煎じた液を濃縮した後、スプレードライ法によって粉末にしたエキス製剤も使用されている。スプレードライ法で粉末化する過程で水分と同時に、多くの活性成分を含む精油成分が損失する。 53) 煎じ薬とエキス剤 漢方薬の剤型として、湯液(煎じ薬)、散剤、丸剤、エキス剤の4つが . . . 本文を読む
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