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920)イベルメクチンの抗腫瘍効果を高める方法

図:イベルメクチンは消化管(小腸)から吸収され(①)、血管内(②)に入って全身の細胞に運ばれる。肝臓では薬物代謝酵素のCYP3A4によって分解される(③)。がん細胞内に取り込まれたイベルメクチンはP糖タンパク質によって細胞外に排出される(④)。高脂肪食はイベルメクチンの体内吸収を高め(⑤)、イトラコナゾールとグレープフルーツはCYP3A4の酵素活性を阻害してイベルメクチンの分解を阻害する(⑥)。メ . . . 本文を読む
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919)タンパク質毒性ストレスを高めるがん治療法(その2):2-デオキシ-D-グルコースとメトホルミン

図:がん細胞はグルコース・トランスポーター(GLUT-1)からのグルコース(ブドウ糖)の取込みが亢進し(①)、解糖系(1分子のグルコースが2分子のピルビン酸に分解される過程)が亢進している(②)。グルコース6リン酸から派生するペントースリン酸経路(③)では、還元剤のNADPHと核酸合成の材料になるリボース5リン酸が産生される(④)。グルタミンとフルクトース6リン酸を基質として、グルタミン・フルクト . . . 本文を読む
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918)タンパク質毒性ストレスを高めるがん治療法(その1):ヒドロキシクロロキンとジスルフィラム

図:抗がん剤治療は変異タンパク質や折り畳み不全タンパク質を増やし(①)、小胞体ストレスを増強し(②)、タンパク質毒性ストレス(proteotoxic stress)による細胞死を誘導する(③)。細胞のタンパク質分解システムのオートファジー(④)とプロテアソーム(⑤)は不良タンパク質の分解を促進して小胞体ストレスを軽減する。ヒドロキシクロロキンはオートファジーを阻害し(⑥)、ジスルフィラムはプロテア . . . 本文を読む
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917)がん幹細胞はNrf2を活性化して治療抵抗性になる

図:放射線照射や抗がん剤やフェロトーシス誘導療法はがん細胞の活性酸素の産生を高め(①)、細胞増殖抑制や細胞死誘導を引き起こす(②)。がん細胞はNrf2の活性を亢進し(③)、活性酸素消去酵素や抗酸化物質の産生を増やすことによって活性酸素種を消去し、酸化ストレスを軽減している(④)。2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)とメトホルミンはNrf2の活性を阻害する作用が報告されている(⑤)。    9 . . . 本文を読む
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916)メラトニンは正常細胞には抗酸化作用を示し、がん細胞には酸化ストレスを高める

図:メラトニンは正常細胞に対しては抗酸化作用を発揮し、酸化ストレスを軽減して細胞保護作用を示す。一方、がん細胞に対しては、活性酸素の産生を高めて酸化促進作用(酸化ストレス亢進)を示し、がん細胞の増殖を抑制し、細胞死を誘導する。 916)メラトニンは正常細胞には抗酸化作用を示し、がん細胞には酸化ストレスを高める 【メラトニンは体内時計を制御する】メラトニンは1958年に牛の脳の松果体から単離され . . . 本文を読む
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915) 5-アミノレブリン酸とジクロロ酢酸ナトリウムはアルテスネイトによる「がん細胞のフェロトーシス誘導」を増強する

図:5-アミノレブリン酸(①)を摂取すると、がん細胞に多く取り込まれ、ミトコンドリアでプロトポルフィリンIX(PpIX)の産生量を増やし(②)、ヘムの合成を高める(③)。ヘムはアルテミシニンと反応して(④)、活性酸素やフリーラジカルを産生し(⑤)。フェロトーシスを誘導する(⑥)。PpIXやヘムの合成を阻害するとアルテミシニンによるフェロトーシスは阻止される。一方、ジクロロ酢酸ナトリウム(DCA)で . . . 本文を読む
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914)5-アミノレブリン酸はがん細胞を死滅する

図:5-アミノレブリン酸(5-ALA)はミトコンドリア機能を活性化する作用によって抗老化(アンチエイジング)のサプリメントとして人気がある。さらに、5-ALAには様々な機序でがん細胞を死滅する作用がある。5-ALAはがん細胞の酸化傷害を増強する作用にょって抗がん剤や放射線治療やフェロトーシス誘導療法の効果を高める。 914)5-アミノレブリン酸はがん細胞を死滅する 【放射線照射と抗がん剤は酸化 . . . 本文を読む
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913)膵臓がんはなぜ抗がん剤が効きにくいのか:K-RasとNrf2の活性化とがん幹細胞

図:抗がん剤や放射線治療はがん細胞内の活性酸素の産生を増やし(①)、細胞増殖を抑制し、細胞死を誘導する(②)。膵臓がん細胞はがん遺伝子のK-Rasが高頻度に変異して活性化し、活性化したK-Rasは転写因子のNrf2の活性を高める(③)。Nrf2は活性酸素消去酵素や抗酸化物質の産生を増やし(④)、活性酸素の有害性を軽減する(⑤)。シンバスタチンとイベルメクチンはK-Rasの活性を抑制し(⑥)、メトホ . . . 本文を読む
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912)5-アミノレブリン酸は転写制御因子BACH1を阻害する

図: 5-アミノレブリン酸(5-ALA)と鉄とジクロロ酢酸ナトリウム(DCA)は(①)、ミトコンドリアにおけるヘム合成を促進する(②)。ヘムはBACH1に結合すると核外に移行して(③)BACH1はプロテアソームで分解される(④)。ヘム合成の促進とBACH1の分解促進は、BACH1の転写制御活性を阻害し、がん細胞の好気的解糖や増殖や浸潤・転移を阻害し、同時に活性酸素種の産生を亢進する(⑤)。メトホル . . . 本文を読む
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911)ニトロキソリン(Nitroxoline)は血管新生と-MycとPD-L1を阻害する

図:尿路感染症治療薬として古くから使用されているニトロキソリン(Nitroxoline)は、メチオニン・アミノペプチダーゼ-2やBETタンパク質の活性阻害、c-MycやBcl-2やPD-L1の活性阻害など、特徴的な抗腫瘍作用のメカニズムにより、血管新生を阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。 911)ニトロキソリン(Nitroxoline)は血管新生と-MycとPD-L1を阻害する 【抗がん剤とし . . . 本文を読む
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910)がん治療における駆虫薬メベンダゾールの有効性と使い方

図:駆虫薬のメベンダゾールは寄生虫だけでなく、がん細胞も死滅する。 910)がん治療における駆虫薬メベンダゾールの有効性と使い方 【駆虫薬のメベンダゾールは微小管の重合を阻害する】メベンダゾール(Mebendazole)はベンズイミダゾール系の広範囲作用型の寄生虫治療薬(駆虫薬)です。線虫、条虫(サナダムシ)、回虫など多くの寄生虫に広く作用します。がん治療以外の目的で開発された何千種類という既 . . . 本文を読む
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909)mTORC1阻害はがん細胞のフェロトーシスを促進する

図:酸素(O2)とニ価鉄(Fe2+)が反応して活性酸素が発生する(①)。活性酸素が細胞膜の脂質二重層を酸化し(②)、過酸化脂質が蓄積すると細胞膜が破綻し(③)、フェロトーシス誘導によって細胞死が起こる(④)。細胞はグルタチオンやグルタチオンペルオキシダーゼなどによる抗酸化システムによって、細胞膜の脂質酸化とフェロトーシスを阻止する(⑤)。哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mammalian tar . . . 本文を読む
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908) マラリア原虫とがん細胞を死滅するアルテミシニン誘導体

図:マラリア治療薬のアルテミシニン誘導体は、マラリア原虫とがん細胞を同様のメカニズムで死滅する。 908) マラリア原虫とがん細胞を死滅するアルテミシニン誘導体 https://www.youtube.com/watch?v=7uYmvk3NlGw 【マラリアは蚊と肝臓と赤血球の中で増殖する】マラリアは、マラリア原虫(Plasmodium)という寄生虫によって引き起こされる病気です。ハマ . . . 本文を読む
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907)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用(その2):ヘムがエンドペルオキシド架橋を開裂する

図:5-アミノレブリン酸と鉄(Fe2+)はヘムの合成を増やし、ヘムと鉄(Fe2+)がアルテミシニンおよびアルテミシニン誘導体のエンドペルオキシド架橋を開裂する。エンドペルオキシド架橋が開裂して活性化したアルテミシニンは、活性酸素の産生を増やし、タンパク質をアルキル化し、DNAや細胞膜の酸化傷害を引き起こし、がん細胞のフェロトーシスを誘導する。 907)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用 . . . 本文を読む
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906)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用(その1):エンドペルオキシド架橋が活性酸素を発生する

図:アルテミシニンおよびその誘導体(アルテスネイト、アルテメーター)は赤血球内に感染しているマラリア原虫を死滅するのでマラリア治療に使われている。さらに、がん細胞に作用してフェロトーシスを誘導して死滅する作用があり、がん治療にも使用されている。 906)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用(その1):エンドペルオキシド架橋が活性酸素を発生する 【マラリアは蚊と肝臓と赤血球の中で増殖する . . . 本文を読む
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