907)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用(その2):ヘムがエンドペルオキシド架橋を開裂する

図:5-アミノレブリン酸と鉄(Fe2+)はヘムの合成を増やし、ヘムと鉄(Fe2+)がアルテミシニンおよびアルテミシニン誘導体のエンドペルオキシド架橋を開裂する。エンドペルオキシド架橋が開裂して活性化したアルテミシニンは、活性酸素の産生を増やし、タンパク質をアルキル化し、DNAや細胞膜の酸化傷害を引き起こし、がん細胞のフェロトーシスを誘導する。 907)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用 . . . 本文を読む
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906)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用(その1):エンドペルオキシド架橋が活性酸素を発生する

図:アルテミシニンおよびその誘導体(アルテスネイト、アルテメーター)は赤血球内に感染しているマラリア原虫を死滅するのでマラリア治療に使われている。さらに、がん細胞に作用してフェロトーシスを誘導して死滅する作用があり、がん治療にも使用されている。 906)アルテミシニン誘導体のフェロトーシス誘導作用(その1):エンドペルオキシド架橋が活性酸素を発生する 【マラリアは蚊と肝臓と赤血球の中で増殖する . . . 本文を読む
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905)ドコサヘキサエン酸はがん細胞のフェロトーシス誘導を増強する

905)ドコサヘキサエン酸はがん細胞のフェロトーシス誘導を増強する https://youtu.be/XPwiIg_-GUw?si=o8O_QbhBGp-ta0W2   . . . 本文を読む
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904)がん消滅(その3): 5-アミノレブリン酸はアルテスネイトのフェロトーシス誘導を増強する

図:トランスフェリンは3価の鉄イオン(Fe3+)を運搬し(①)、細胞膜に存在するトランスフェリン受容体(TFR)に結合すると、この複合体は細胞内に取り込まれる(②)。エンドソーム内の酸性の環境では、鉄イオンはトランスフェリンから離れ、3価の鉄イオン(Fe3+)は2価の鉄イオン(Fe2+)に還元される(③)。2価の鉄イオンは細胞質に移行して鉄プールに入り、細胞内の様々な目的で使用される(④)。アルテ . . . 本文を読む
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903)がん消滅(その2):フェロトーシス誘導療法は抗がん剤や放射線治療に対する抵抗性を減弱する

図:放射線と抗がん剤治療は活性酸素の産生を高めて細胞を死滅させる。フェロトーシス誘導の効果のある様々な薬剤(アルテスネイト+5-アミノレブリン酸、ジクロロ酢酸ナトリウム、高濃度ビタミンC点滴、メトホルミンなど)も活性酸素の産生を増やす。フェロトーシス誘導療法は、がん細胞の酸化ストレスを高める作用によって、放射線と抗がん剤治療に対するがん細胞の感受性を高め、治療抵抗性を減弱する。 903)がん消滅 . . . 本文を読む
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902)がん消滅(その1):活性酸素ががん細胞を死滅する

図:がん細胞は鉄の取り込みが多く、細胞内のフリーの2価鉄(Fe2+)が活性酸素の産生を増やす。鉄介在性の活性酸素の産生増加は、脂質を酸化して細胞膜の脂質二重層を破綻して、フェロトーシスの機序で細胞死を引き起こす。フェロトーシス誘導療法はがん細胞を選択的に死滅するがん治療として注目されている。 902)がん消滅(その1):活性酸素ががん細胞を死滅する 【2価鉄イオン(Fe2+)はフリーラジカルを . . . 本文を読む
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901)がん細胞を狙い撃つ注目の最新がん治療:フェロトーシス誘導療法

図:エネルギー産生や物質代謝におけるがん細胞と正常細胞の違いをターゲットにすれば、がん細胞を選択的に死滅することができる。その方法としてフェロトーシス誘導療法が注目されている。アルテスネイト、5-アミノレブリン酸、鉄、ジクロロ酢酸ナトリウム、メトホルミン、2-デオキシ-D-グルコース、ジスルフィラム、高濃度ビタミンC点滴、スルファサラジン、ドコサヘキサエン酸、ドキシサイクリン、ケトン食、抗がん剤、 . . . 本文を読む
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900) オールトランス・レチノイン酸(ATRA)の分化誘導作用(その2):PPARγリガンドとの相乗効果

図:オールトランス・レチノイン酸(All-trans RA)は9-シス・レチノイン酸(9-cis RA)に変換され(①)、レチノイドX受容体(RXR)に結合する(②)。ドコサヘキサエン酸とピオグリタゾンとベザフィブラートはPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ)に結合してPPARγを活性化する(③)。リガンドが結合して活性化したRXRとPPARγ . . . 本文を読む
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899) オールトランス・レチノイン酸(ATRA)の分化誘導作用(その1):イトラコナゾールとの相乗効果

図:ビタミンA(レチノール)はTransthyrenin(TTR)とレチノール結合タンパク(Retinol Binding Protein: RBP)と結合して血中に存在し(①)、細胞膜のSTRA6(Stimulated by Retinoic Acid 6)という受容体を介して細胞内に入る(②)。細胞内では細胞内レチノール結合タンパク(Cellular Retinol Binding Prote . . . 本文を読む
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898)がん細胞のフェロトーシス誘導(その5):ジクロロ酢酸ナトリウム

図:グルコースが解糖系でピルビン酸に変換された後、ピルビン酸脱水素酵素(①)によってアセチルCoAに変換される。アセチルCoAはミトコンドリア内でTCA回路と呼吸酵素複合体における酸化的リン酸化によってATPが産生される(②)。R体αリポ酸とビタミンB1はピルビン酸脱水素酵素の補因子として働く(③)。ピルビン酸脱水素酵素はピルビン酸脱水素酵素キナーゼによってリン酸化されることによって活 . . . 本文を読む
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897)がん細胞のフェロトーシス誘導(その4):ドコサヘキサエン酸

図:ドコサヘキサエン酸(①)は微細藻類(②)や魚類(③)に多く含まれる。食事からドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量を増やすと、がん細胞の細胞膜に多く取り込まれる(④)。抗がん剤、放射線照射、アルテスネイト、鉄剤、高濃度ビタミンC点滴、スルファサラジン、ジクロロ酢酸ナトリウム(⑤)は活性酸素の産生を高める(⑥)。飽和脂肪酸の多い細胞膜は脂質の過酸化が起こりにくい(⑦)。多価不飽和脂肪酸は酸化を受け . . . 本文を読む
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896)がん細胞のフェロトーシス誘導(その3):5-アミノレブリン酸

図:5-アミノレブリン酸(①)とクエン酸第一鉄ナトリウム(②)をサプリメントとして補充すると、ミトコンドリア機能を高め(③)、糖尿病や肥満など代謝性疾患を改善し、老化性疾患の進行を抑制し、健康寿命を延ばす(④)。一方、がん細胞に対しては、酸化ストレスを高め、がん細胞の増殖抑制とフェロトーシス誘導による抗がん作用を発揮する(⑤)。さらに、5-アミノレブリン酸は乳酸脱水素酵素Aの活性を阻害する(⑥)。 . . . 本文を読む
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895)がん細胞のフェロトーシス誘導(その2):還元型グルタチオンの枯渇

図:グルタチオン(①)は細胞内の酸化ストレスを軽減する。がん細胞内の還元型グルタチオン(②)の量が多いと、抗がん剤や放射線治療に抵抗性になる。酸化型グルタチオン(GSSG)はペントースリン酸経路で産生されるNADPH(③)によって還元される。グルタチオンはグルタミン酸とシステインとグリシンからATPを使って合成される(④)。スルファサラジン(⑤)はシスチン・トランスポーターを阻害することによってグ . . . 本文を読む
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894)がん細胞のフェロトーシス誘導(その1):アルテスネイト

図:がん細胞はトランスフェリン受容体の発現が多く、細胞内に鉄を多く取り込んでいる(①)。アルテスネイトは分子内にエンドペルオキシド・ブリッジ(endoperoxide bridge)を有し、これは鉄イオンやヘムと反応して(②)、活性酸素を発生する(③)。鉄イオンを介してがん細胞内で多量に発生した活性酸素は、細胞膜や細胞内小器官の膜の脂質を酸化して傷害し、細胞死(フェロトーシス)を誘導する(④)。正 . . . 本文を読む
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893)ザクロ種子油に含まれる共役リノレン酸のプニカ油はがん細胞を死滅する

図:α-リノレン酸は亜麻の種子や荏胡麻の種子の油に多く含まれる。α-リノレン酸は炭素数18で二重結合を3個持つ脂肪酸(C18:3)で、カルボキシル基(COOH)から数えて9番目と12番目と15番目の炭素に二重結合があり、これらはいずれもシス型の構造をとる(9c,12c,15c)。プニカ酸はリノレン酸の異性体の一種でザクロ種子油に多く含まれる。プニカ酸はカルボキシル基(COO . . . 本文を読む
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