597)低酸素誘導因子-1(HIF-1)の活性化を阻害する方法

図:炎症細胞から産生されるIL-6は受容体を介してSTAT3を活性化し(①)、低酸素誘導因子-1(HIF-1)の転写を亢進する(②)。増殖因子や成長因子によるシグナルはPI3K/Aktシグナル伝達系を介してmTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)を活性化する(③)。mTORC1はリボソームの生合成を促進するS6Kをリン酸化して活性化して蛋白質合成を促進し、HIF-1タンパク質の産生 . . . 本文を読む
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596)腫瘍微小環境の低酸素と酸性化を改善する重曹とプロトンポンプ阻害剤とメトホルミンと酸素ナノバブル水

図:正常組織は動脈と静脈と毛細血管が整然とした血管網を形成し、組織全体に血液が均一に行き渡っている(①)。一方、がん組織では血管網が不完全で、血液が十分に行き渡っていない低酸素領域が多く存在する(②)。血管から離れた領域のがん細胞は高度に低酸素になっている(③)。低酸素のがん細胞は浸潤性や転移能を亢進し、細胞死(アポトーシス)に抵抗性になり、放射線や抗がん剤に対する感受性が低下する。さらに、解糖系 . . . 本文を読む
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595) Hippo経路をターゲットにしたがん治療(その2):膵臓がんとYAPとジインドリルメタン

図:転写共役因子のYAPは様々な遺伝子の発現を誘導して、細胞のサイズ、増殖、生存、分化などを制御している(①)。YAPはHippo経路で負に制御されているが(②)、その他多くのシグナル伝達系で、正あるいは負に制御されている(③)。グラフは膵臓がん患者の生存曲線を示す(④)。YAPの発現が低値の患者は生存率が高いが(⑤)、YAPの発現が高い患者は生存期間が短い(⑥)。したがって、膵臓がんの治療にYA . . . 本文を読む
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594) Hippo経路をターゲットにしたがん治療(その1):シンバスタチンとセレコキシブと肝臓がん

図: Hippo経路はYAP/TAZの核内移行を阻止している(①)。Hippo経路が不活性化されると、YAP/TAZは核内に蓄積し、TEADと相互作用して、YAP/TAZのターゲット遺伝子の発現を誘導する(②)。その結果、がん細胞の増殖や転移が促進される(③)。低分子量Gタンパク質の一種のRhoはYAP/TAZを活性化する(④)。RhoがGTP結合型の活性型に変換されるには、Rhoがゲラニルゲラニ . . . 本文を読む
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593) 若い女性の肺腺がんは予後が悪い:エストロゲンは肺がんの発生と進行を促進する

図:女性ホルモンのエストロゲンは肺がん細胞の増殖・転移を促進する。エストロゲン(E2)はエストロゲン受容体(ER)と細胞質内で結合し(①)、二量体を形成して(②)、核内に移行し、遺伝子のエストロゲン応答エレメント(ERE)に結合して(③)、エストロゲン依存性の遺伝子発現を促進する。また、エストロゲンが結合したエストロゲン受容体(ER)は上皮成長因子受容体(EGFR)を活性化し(④)、細胞増殖を促進 . . . 本文を読む
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