491)ケトン体治療(その1):生理的ケトーシス

図:肥満者に40日間の絶食を行った場合のβ-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、グルコース(ブドウ糖)、遊離脂肪酸の血中濃度の推移を示す。絶食で起こる生理的ケトン症(ケトーシス)ではケトン体(β-ヒドロキシ酪酸+アセト酢酸)の血中濃度は6~8mM(mmol/L)程度を上限にしてそれ以上は増えないので酸性血症(アシドーシス)にはならない。(出典:N Eng J Med. 282: 668 . . . 本文を読む
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490)メトホルミンとβヒドロキシ酪酸はミトコンドリアでのグルコースとグルタミンの利用を抑制する

図:(左図)がん細胞にとってグルコースとグルタミンは二大栄養素である。細胞分裂して数を増やすために、たんぱく質、核酸、脂質などの生体内マクロ分子の合成とエネルギー(ATP)産生のために、グルコースとグルタミンの取込みと利用が亢進している。(右図)グルコースとグルタミンの両方の利用を阻止できれば、がん細胞の増殖を抑え、細胞死を誘導できる。グルコースとグルタミンの利用と阻害する方法として、メトホルミン . . . 本文を読む
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489)がん細胞におけるグルコース非依存性の代謝適応:グルタミンと逆向きTCA回路

図:細胞内に取込まれたグルコースとグルタミンはクエン酸回路(TCA)回路などでエネルギー産生と物質合成の材料になる。グルコースが利用できない状況では、グルタミンがαケトグルタル酸に変換してTCA回路を経由し、オキサロ酢酸からホスホエノールピルビン酸になる経路でミトコンドリアでの物質合成が維持される。このときがん細胞では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の発現が亢 . . . 本文を読む
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488)ミトコンドリア・ダイナミクスとがん

図:細胞内のミトコンドリアの数や体積や形態や機能は、ミトコンドリアの新生(発生)、融合、分裂、分解(ミトファジー)のバランスで制御されている。融合が進行すると大きな管状のネットワークを形成し、分裂が進むと小さなミトコンドリアが増える。ミトコンドリアの融合と分裂のバランスの異常が、様々な疾患の原因となっている。(参考:Journal of Cell Science 123: 2533-2542, 2 . . . 本文を読む
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