図:抗がん剤として使用されている植物アルカロイドとして、キョウチクトウ科ニチニチソウに含まれるビンクリスチンやビンブラスチンなどのビンカアルカロイド系、イチイ科植物由来のパクリタキセルやドセタキセルのタキサン系、メギ科ポドフィルム由来のエトポシドやテニポシドなどのポドフィロトキシン系などがある。イリノテカンは中国の喜樹という植物から見つかったカンプトテシンという植物アルカロイドをもとに改良された誘 . . . 本文を読む
図:小腸の主たる機能は栄養素の吸収であり、内腔側には粘膜が突出した絨毛を形成して表面積を広げている(①)。小腸粘膜上皮は幹細胞の分裂によって1週間以内に新たな細胞に置き換わっている。したがって、抗がん剤によって小腸粘膜の上皮の幹細胞の増殖が阻害されると、細胞回転が速い小腸粘膜は絨毛の消失により粘膜の平坦化が起こる(②)。消化管は皮膚・呼吸器と同様に外界と直接接し、生体のバリアーとしての機能も重要な . . . 本文を読む
図:チャーガ(Chaga)は白樺に寄生するキノコで、「白樺のがん」とも言われる(①)。培養がん細胞や動物実験などの基礎研究でチャーガの抗がん作用が報告されており、その活性成分としてトリテルペノイド類やポリフェノール類やエルゴステロール類や多糖類などが報告されている(②)。これらの成分の総合作用によって、がん細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導や転移抑制、抗炎症作用、血管新生阻害作用、免疫増強作用などの . . . 本文を読む
図:日本特産のマメ科のつる性落葉低木フジ(Wisteria floribunda)の幹や枝に「フジ瘤菌」と呼ばれる細菌(Pantoea agglomerans pv. millettiae)が感染すると(①)、病原体が産生する物質によって、宿主植物の細胞が異常に増殖して瘤が形成される(②)。一方で、植物の防衛機転が働き、病原体を撃退する成分が生成される。このような宿主の植物と病原菌との熾烈な戦いと . . . 本文を読む