849)体に優しいがん治療(その3):PI3キナーゼ/Aktシグナル伝達系の阻害

図:インスリン様成長因子-1(IGF-1)はIGF-1受容体(IGF-1R)に結合すると(①と②)、PI3キナーゼ(PI3K)というリン酸化酵素が活性化される(③)。PI3Kは細胞膜の構成成分であるイノシトールリン脂質をリン酸化する酵素でp80とp110の2つのサブユニットから構成されている。PI3Kはホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)の3位のOHをリン酸化してホスファチジルイ . . . 本文を読む
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848)体に優しいがん治療(その2):がん組織をアルカリ化するとがん細胞は死滅する

図:がん細胞ではグルコースの取り込みと解糖系での代謝が亢進し、乳酸と水素イオン(H+)が増え(①)、水素イオンはV型ATPアーゼ(V-ATPase)で細胞外に排出され(②)、がん細胞外に水素イオンが貯留して酸性化している(③)。がん細胞では低酸素誘導因子-1(HIF-1)の発現と活性が亢進してピルビン酸脱水素酵素キナーゼの発現を誘導し(④)、ピルビン酸脱水素酵素の活性を阻害している(⑤)。その結果 . . . 本文を読む
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847)体に優しいがん治療(その1):3人のノーベル賞受賞者と発酵小麦胚芽エキス

図:がん細胞はグルコースの取り込みと解糖系が亢進し(①)、乳酸産生が亢進している(②)。さらにペントース・リン酸経路が亢進し、核酸やアミノ酸や脂肪酸やNADPHの合成が亢進している(③)。ミトコンドリアでの酸化的リン酸化は抑制されている(④)。発酵小麦胚芽エキスに含まれる2,6-ジメトキシベンゾキノンはグルコースの取り込みと解糖系と乳酸産生を阻害し(⑤)、ペントースリン酸経路を阻害して、物質合成と . . . 本文を読む
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846)腸内細菌が産生するイノシンが免疫チェックポイント阻害剤の効き目を高める

図:大腸内には多数の腸内細菌が存在し(①)、その量や組成が免疫チェックポイント阻害剤(②)などの免疫療法の抗腫瘍効果に影響する。一部の腸内細菌が産生するイノシン(③)がチェックポイント阻害剤の応答率を高めることが報告されている(④)。 846)腸内細菌が産生するイノシンが免疫チェックポイント阻害剤の効き目を高める 【腸内細菌叢の組成は個々人で大きく異なる】人間の腸内には、種類にしておよそ1,0 . . . 本文を読む
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845)がん治療におけるホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤の有効性

図:動脈の内面を覆う血管内皮細胞(①)の中で、様々な刺激で一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)が活性化され、L-アルギニンからNO(一酸化窒素)が生成される(②)。内皮細胞で生成されたNOは血管平滑筋細胞内のグアニル酸シクラーゼを活性化し(③)、サイクリックGMP(cGMP)を生成する(④)。cGMPはcGMP依存性プロテインキナーゼ(プロテインキナーゼG)を活性化し(⑤)、タンパク質リン酸化や細 . . . 本文を読む
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