直線が日本一長い600mの新潟の外回りは、一見、差し馬有利に写りがちだが、スピードを長く持続できる持久型のタイプが勝てるコースだと思う。馬券戦術的にはまさにコース適性が重要な予想のファクターと思う。NHKマイルの強烈な差し足が印象的だったので、思い込み激しく頭はケイデンスコールで決まりと思ったが、そうは甘くなかったのが結論だった。暑さで体調不十分ということもあったが、乗り方も大きな要素だと思った。デムーロはしんがりの位置から上がり最速の31.9秒で7着、勝ったミッキーグローリーは15番手から32.2秒で勝利。どちらも思い切った騎乗だったが、勢い一番のルメールの勝利となった。
格から行けば、タイムフライヤーが一つ抜けていたが、初めてのダート戦で重賞はやはり厳しいのではとの見方もあった。内枠のドリームキラリが先手を主張し、逃げるかと思った、マルターズアポジーは二番手、外枠から先行したリアンヴエルテで前半1000mが58.5秒と芝並みのペースで、競馬場もどよめいた。タイムフライヤーはこれら先行税の激流に付いて行き、直線では先頭を伺う勢いだった。初ダートで砂をかぶりたくないとの思いは池添騎手にもあったかもしれないが、頭もあるのかの走りだったので、二着と同タイムの1.42.4は上出来ではなかったか。もう少しゆっくりと前目で追走できれば次走は頭ありかと思う走りだった。