ダービー馬と皐月賞馬が出て来て、他にも有力馬がいる中で、重賞勝ち無く、大外、でどう見ても不利な条件なので勝つというイメージは全く湧かなかった。スタートしてハナを切るとかかったのかと思いきやすっと三番手位につけて馬を落ち着かせたら、後はインコースの経済コースを走らせ、直線は余裕で抜け出してきた。鞍上のルメールマジック以外ない表現の勝ち方で、脱帽だった。狙いのサボーナは良い感じで上がってきたが、伸びきれず、距離の壁を感じた。このローテだと、有馬記念に行くのかな?
川田騎手の勝利騎手インタビューでの発言通り、次元の違う能力発揮させるための進路確保の騎乗だった。搭載エンジンが違い過ぎるので周りが遅く見える競馬だった。脚力が頭一つ、頭三っ位抜けていれば、よほどの不利を食らわない限り勝てる。そんな騎乗だったのではないか。大昔のタニノムーティエやディープインパクトのような騎乗だった。次のターゲットはどこになるのか?個人的には有馬記念よりジャパンカップを目指して欲しい。それぐらい強い競馬だった。
2022年4月30日の青葉賞の勝利から約一年半、5,8,7,3,3,5,5,4着、じれったい競馬を続けていたが、やっと勝ったとの印象。勝ち味に遅いので頭では狙い辛く、二着狙いかと思っていたが、池添騎手の好騎乗で勝利をものにした。これで、つきものが取れて連勝するかもしれない。もともと青葉賞勝ちで将来を期待されてきたが、これをきっかけに変われるのか注視したい一頭だ。
この勝利でエルトンバローズの評価が高まったが、展開とペースが有利に働いた事は、否めない。二着、三着に来たソングライン、シュネルマイスターは強いレースをしている。ソングラインはコーナー通過順位が4,7,6シュネルマイスターは9,10,10、人気のジャスティンカフェは、12,12,12上がり最速の33.2秒でも位置取りが後ろ過ぎた。もう少しレースが流れていれば、大きく着順が変わる可能性を秘めている。次走、エルトンバローズが人気になるようなら危険な人気馬になるような気がする。
G1奪取の絶好の機会と思えたが、皮肉にも最内枠を引いた。間の悪いことに隣にティエムスパーダがいて、付いて行くわけにもいかず位置取りが難しい競馬になった。更に少し後手を踏んだこと事で、位置を取りに行くために外側に張って出なければならず、ここでも位置取りでごちゃ着いた。G1でこのロスは勝ち運から見放された一因になつたと思う。勝ち馬のママコチャは半信半疑でどちらかと言えば軸に出来ない馬だと思っていたが、頭まであるとはお手上げだった。少し馬場が重く、時計を要したことも勝利を後押ししたように思う。