く~にゃん雑記帳

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<栗原恵、岡山シーガルズに> 大型アタッカー加入で攻撃力に厚み!

2012年07月13日 | スポーツ

【きょう13日チームに合流、14日岡山市で入団会見】

 ロンドン五輪のバレーボール女子日本代表に漏れ、行方が注目されていた栗原恵がV・プレミアリーグ唯一の市民クラブ「岡山シーガルズ」に入団することが決まった。岡山は11/12シーズン、11勝10敗(レギュラーラウンド)で「決勝ラウンド進出(4位以内)」という当初目標を達成したものの、〝大砲〟不足やサーブ力の弱さなど攻守両面で課題が浮き彫りになっていた。それだけに実績十分のベテラン栗原の加入は大きい。加えて、プレミアリーグ女子はこのところ、日本のエース木村沙織の東レ退団・トルコリーグ移籍、元日本代表セッター中田久美の久光製薬監督就任など話題が豊富。4カ月後に開幕する12/13シーズンが今から楽しみになってきた。

  

 栗原(1984年7月31日生まれ、広島県出身)は2004年アテネ、08年北京の両五輪にエースとして出場、日本の5位入賞に貢献した。10年の世界選手権銅メダルメンバーでもある。長年パイオニアで活躍したが、昨年退団しロシア・スーパーリーグ「カザニ」に移籍した。ロシアを代表する大エース、ガモワらを擁する強豪チームだ。ロシア移籍は最大の目標であるロンドン五輪を見据えたうえでの決断だった。昨年2月に手術を受けた左膝も順調に回復していた。

 だが、今年5月の五輪世界最終予選の日本代表メンバーから外れた。「代表最終選考会」と位置づけられた6月のワールドグランプリでは第4戦のドミニカ共和国戦にスタメン出場。久しぶりの実戦だったがチーム2位の11点を挙げた。「一つの区切りとしてロンドンがある」。栗原は昨年、五輪後の引退まで示唆していた。3回目の五輪出場をバレー人生の集大成と位置づけていた。それだけに五輪代表発表の前日、真鍋政義監督から〝選外〟を告げられた時のショックはいかばかりだっただろうか。同様にけがや故障で実戦を離れていた大友愛と井上香織は代表候補17人の中から12人の代表枠に滑り込んだ。栗原とまさに明暗を分けた。

【パイオニア時代、最高殊勲選手1回にサーブ賞は3回も】

 栗原は2004年から11年までパイオニアに在籍。その間、05/06シーズンには最高殊勲選手に選ばれ、サーブ賞(サーブ効果率トップ)も3回受賞している。栗原の魅力は長身を生かした強烈なスパイク。岡山の河本昭義総監督も「トスがずれた時にも打ち切れる大型のアタッカー。これまでの岡山に欠けていたタイプ」と期待を寄せる。ジャンプサーブの威力も日本選手の中でトップクラス。サービスエース、中でもノータッチエースが多いのが栗原の特徴だ。攻守両面で岡山の弱点を補強するエースとしての役割が期待される。

 岡山の2011/12のレギュラーラウンドのチーム成績を振り返ってみよう。アタック決定本数は全8チーム中、久光製薬、デンソー、東レに次いで4位とまずまず。だがアタック決定率となると下から2番目の7位。アタックの打数が全チーム中最多ということもあって決定本数は多いものの、決定率は上位3チームに大きく差をあけられている。決めるべき時に決める力が弱いというわけだ。

 サーブも課題が多い。サーブ効果率は8位と最下位。サーブ効果率は『(ノータッチ×100+エース×80+効果×25)÷打数』で計算する。サーブで相手の陣形をどれだけ崩すことができるかは攻撃の第一歩。サーブ力をいかに上げるかがオフの課題にもなっていた。そこに屈指のサーブ力を持つ栗原が加入する。チームにとってその意義は大きい。守備面ではサーブレシーブの精度を上げ、きっちりセッターに返すことも大きな課題。前季、サーブレシーブ成功率は8チーム中6位にとどまった。

【「攻撃、ブロック、サーブでチームに好影響」と河本総監督】

 プレミアリーグ8チーム中、これまで岡山だけは外国人選手がおらず、180cmを超える大型選手も少なかった。それでも11/12シーズンのブロック決定本数(1セット当たり)は8チーム中2位と健闘した。187cmでチーム最長身となる栗原の加入で、ブロックもさらに大きな武器になりそうだ。「攻撃、ブロック、サーブの各面でチームに好影響を与えてくれるはず」。河本総監督のこの言葉に、チーム活性化への〝栗原効果〟への期待の程がうかがわれる。

 ロンドン五輪代表には岡山から山口舞が選ばれた。山口には同じチームでプレーすることになった栗原の分まで五輪で活躍してほしい。岡山はブロード攻撃が得意なこの山口をはじめ、チーム一の得点源・福田舞、速攻の関李香、巧みに打ち分ける森和代、若手のホープ川畑愛希など多彩な攻撃陣を擁する。大型セッターとして注目の宮下遥はまだ17歳の発展途上。「火の鳥NIPPON」の日本代表メンバーにも選ばれている。栗原には国内外のチームから声が掛かっていたという。その栗原の入団で岡山シーガルズの選手層は確実に厚みを増す。2012/13シーズン(11月17日~来年3月24日)では目標を「優勝」と高く掲げて旋風を巻き起こしてほしいものだ。


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