CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

風林火山 生か死か

2007-05-07 08:50:51 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ風林火山
相変わらず、戦無しパートが続いております

なかなかとんちが効いたでもないですが
なかなか、ステキなお話
閨の話を戦話にたとえるという、茶目っけというか
過敏な人から言わせれば、セクハラトークで盛り上がる
重鎮どもそれこれ
ほほえましい、実によいー、と、うなづいてしまうこのごろでありましたが

さて、由布姫の処遇についてのあれこれを中心に
勘助がアタマ悪く奔走するという話に見えたのでありました
女心はわからない、城は陥落できても女は落とせぬか
晴信の台詞が憎いほどよく決まっていてステキ
ただ、個人的には少々退屈に思われたのでありますが
なかなか、由布姫の前で七転八倒というか
ともかく失敗しまくる勘助との会話が
次第に決まりきったコントじゃなかろうかと思えたのでありますが
心憎い、ヘタ歌によって見事
姫に安息を手渡したりする、なかなか心憎い晴信
ただ、それは、なんか表面を撫でていると

バカにされた上、夫婦喧嘩の元になった

そういういわくになったように思われるのだが
まぁ、いいのか、男はどっしり構えてこそなのかもであります
ともあれ、勘助があれこれするのに
とことん反発する由布姫の前に
重臣甘利参上、かっこいい
雨があれほど似合う男はそうそういないなぁと
あのどっしりというよりも、ずしりとしたたたずまいに
思わずつばを飲んでしまったのでありますが

あさっての方向の話をしつつ
脇差を差し出し、さまざま説く姿
自害ではなく、討ち取られた議論については
由布姫の切り替えしも見事で
その見事さに一瞬だけ、甘利が打たれたように見えたのもいい
無表情なんだが、間というかなんというか
あの、雨の重苦しさから垣間見られる
様々な感情がステキ
そのステキさを補完するように
由布姫が思った以上に、その想いを看破するのも見事
なんだか、巧妙な心理戦
あの、甘利が脇差を置き、由布姫が取り
そして抜くまでの間、抜く引き金となる台詞を
とつとつ、とつぶやいていく甘利
あの駆け引きとは言わない
凄い圧迫感が見所でありました

結局、われに返ったところで終了
甘利が何もいわず、寂しそうに帰っていく姿が見事でありました
んでもってまた、三条様がやってきての悶着
ここは私にはよくわかりませんでしたが
女の戦いだったんだろうか、泣いて帰っていくところが
かわいらしいと思った程度でよくわかりませなんだ
たぶん、なんか凄い駆け引きめいたものがあったんでしょう

戦がないと退屈になってしまうが
それでも、役者さんの覇気によって緊張感が保たれる
ステキな回でありました

個人的に素晴らしいと思われたのは
まんじゅうを食う勘助
だったのでありますが、あの饅頭
なんであんなに美味そうなんだろうか・・・
まんじゅうだけを見ていた限り、絶対に熱くはなさそうなのに
勘助の演技見てたら、凄い熱くて
蒸したてのようなあのステキなまんじゅうっぷり
しかも、すげぇ美味そうに食べるのな
なんなんだ、ステキすぎてたまらんではないか

感服つかまつった次第でありますが
あの湯気は出てないけど、とても熱くてうまそうだった
ステキ饅頭を見せかけた勘助に
まんじゅうこわいを打つ落語家のそれを思いはせたのであります
凄いな、仰々しいというか大げさな演技なんだろうけど
時代劇だと、特に今回みたいに濃い時代劇だと
すげえマッチして、見事なんでありますね
ご飯を美味しそうに食べるというのは
なかなかステキで、今後もああいう細かいところを見たい
そう思うのであります
さりげなく、少々寂しそうに語る板垣の姿も
印象深いのでありますが
まんじゅうを食う勘助が一番でありました

そんなところで、来週も
なんか美味しいもの食べて欲しいとか思うのでありました
饅頭需要がこの週明けあがるんじゃないか
そこまで感服したのであります
晴信が扇子を襟にさしていたのは、なんだろうか
そこはよくわかりませなんだが、よかったのでありましたとさ

皇国の守護者 佐藤大輔

2007-05-01 09:13:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
皇国の守護者 佐藤大輔

現行の1~9巻まで読破いたしました
読了といったらいいのか、ともかく読んだのであります
昨今、地味に人気を博しているらしい
ヲタク男子にはたまらない、架空戦記小説
漫画にもなっており大変注目でありました

さて、内容を説明するのもおこがましいというか
有名なお話なのでありますが、
とある島国と大国との侵略戦争と防衛戦のお話であります
大国に攻められる島国で、まぁ、戦時だからという理由だけで
ものすごい勢いで出世する男が主人公
また、主人公が基本的に人格が崩壊しており
人としてどうかと思うような輩のために
戦争に卓抜した才能を見出し、あれよあれよと御国の英雄となる
そういうカモフラージュをした
完全な姉萌え小説でありました、ヲタ人気高いはずであります

もう、1~9巻の末尾にかけてまでの
壮大なネタフリといった具合で、8巻まで読んだ、いや
9巻の終わり数ページ前まで読んだ感想と
読み終えてしまった感想ではまったく異なるであろう
驚愕のラスト、実際は続刊予定になってるそうだが
たぶん出ないのでありましょう、そういう噂だ、諦めよう

ともかく、そのラストにて、ああこれって・・・と
自分の性癖全てをカバーしてもらったような
たいそう立派な小説でありましたとさ
ろくでもない感想になってしまいましたが
戦争描写は、なかなか爽快で、またステキ漫画だわと
鼻息あらげて一時期、ヘルシング読んでた自分には
これが元ネタだったのかと驚愕してしまう内容
心地よい台詞と戦争風景がとても楽しそうに描かれていたのでありました

個人の力にどれだけ戦局が左右されてしまうのか
また、全てが思うとおりにいけば、思うがままになるのに
敵味方問わずに不測の事態に足を掬われるという現実というか虚構
最悪の状況でちょっとだけでいいから、善良な策を採用する
運だけが決定権を握る生死等々
なかなか、心躍る内容でありました
これを読む前にクラウゼヴィッツを読んでおいて
本当によかったと感激したのでありますが
兵站線と防御線の貼り方についてやら、陣地と展開について
ああ、こういうことだったのかと色々
感心したのでありました
実際はもっと、こう、なんだ、人数について
とりわけ、小隊、中隊、大隊の構成人数と構成属を
よくよく勉強しておいたらもっと面白かったかもと
戦争マニアというか、軍事マニアにはにやにやが止まらないのではなかろうか
そういうステキな内容でありました

話の筋に触れてしまうと
全部ネタバレに直結しそうなので
なんともいいようがないのでありますが
読んでて、少し残念だなと思ったのは
前半あれほど活躍した千早が後半はあんまりだったところ
唐突なエロシーンが実に些細な感じでやきもきしたところ
内容に影響されて日常会話ができなくなってしまったところ、私が

と以上のようなことでありました
影響を受けやすい人は、安易に読まないほうがいいんだろうなと
ぼんやり思いつつ、もう、組織を全て軍隊方式にしたら
うまくいくんだろうなと夢を見てしまいます
実際はそうでもないし
そもそも、中隊程度の人数も揃ってない部署で生きてんだから
つべこべいうなというお話でありますが
それはまた、別の機会に

ともあれ、痛快に倒し、倒すたびになんか倒錯していく
そういうステキ体験がぎっしりつまった小説でありました
姉萌えうんぬんのところを、こんこんと語りたいところでありましたが
どれをとってもネタバレになってしまうので断念しつつ
やっぱり、お姉さん子というキャラクタはいいよねとか
その程度でお茶を濁しておきます、すきすき