CLASS3103 三十三組

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【読書】2016年の週刊文春

2021-05-18 21:25:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
2016年の週刊文春  著:柳澤健

タイトルの時期だけかと思ったら、
週刊文春、ひいては、文藝春秋の100年史といった内容の本でした
大きくは、スクープを追いかけてきた敏腕編集者である、
花田氏と新谷氏の二人を取り上げていて、
その二人が作り上げてきた、また、変えてきた、
文春という雑誌について書かれていました

世間をにぎわせた、文春砲なる言葉の裏というか、
そこに至るまで、どのようなことが文春という雑誌で行われていたのか、
スクープを撮るということの難しさと、そこにかける情熱、
それをなしてきた人たちの奮闘といった
裏側が見えるようで、非常に読み応えのある内容でありました
まぁ、中の人の語りになるわけだから、若干のひいき目はあるんだろうけど、
それにしても、既存メディアと異なり、
誰にでも喧嘩を売れるというスタイルは、すごいことだなと思い知った次第であります

とはいえ、JRとやった時は、キオスクから文春が消える騒動になるとか、
なかなか大変だったこともあるようで、
スクープを撮るということのリスクの高さというのが、
そのほか既存メディアのなぁなぁにつながっているというのも
人情としてはわからんでもないなと思うところ、
とはいえ、それじゃジャーナリズムってなんだよというのも
また、ごもっともなので、なんというか、因果な商売というか
大変なものだよなと思うばかりでありました

文春のスクープ品質の高さというのが、あれこれ披瀝されていて、
本当、狙われた人はたまったもんじゃないだろうなと、
最初は勢いよく反対したものの、完全に裏をとられているから、
最近では、文春にやられたらすぐ謝るみたいになってて、
それでは、文春の実入りが減るので、大局的にスクープ原資がなくなっているというのは
結構危機的なことだなと思うところでもありました
こういうのが、第三者機関というものではないかと
検閲じゃないが、何かしらの番人として働くというのは
必要悪という言い方は正しくないかもしれんが、
あってほしいものだよなと思ったりするのである

まぁ、自分が狙われていないからそう思うだけなんだが、
誤報の可能性も払拭できるわけではないから、
これは難しい問題でありますね

そんなわけで、文春というのを正直知らないまま
今まで生きてきたんだけども、芸能人のスクープだけじゃなくて、
政治や経済のそれこれもスクープしていたというのに
驚いたというか、週刊誌という世界を知らなかった自分には
非常に面白い本でありました