CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】東京プリズン

2019-07-08 21:15:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
東京プリズン  作:赤坂真理

結構な長編で、かなり不思議な物語というか、
いまだ、ちゃんと消化しきれていない小説であります
テーマとして扱うのは、第二次大戦を軸にした、
東京裁判と天皇制というところで、
このあたりからして難解すぎる
さらに、そこへのアプローチが、
主人公が、様々な人の思念とやりとりすることで
ディベートが進むみたいな感じだったり
なんというかな、難しい話を難しい手法で描いているから
理解に苦しんだと表現したいところながら、
ともかく、読書が遅くなったのでありました

論じられていたのは、今なのか、過去なのか、
そのあたりもあいまいなままで、
でも、アメリカの立場、アメリカ人があの大戦を
その時の日本をどう思っているかを並べて、
逆に日本は、その事実だけではなく、
大戦そのものを知らないで過ごしている
そういう指摘が物語的にされて、戸惑う主人公が、
ディベートでそのぜひを明らかにしないといけない
その事実もまた、誤解というか、
相互理解のないまま進んできた現状と同じであろうか
そういう示唆にも思えるのだけども
まぁ、ともかく、難しい内容であった

読んでいて、どちらに加担すると
そういうことを覚えることを
指摘の通り、やはり拒否してしまう、
感想として、そのことについて触れるのを拒否してしまうのは、
理解できるというか、何か、考えてしまうと
とても抱えきれないほど大きなものへ
身の程を知らずに言及するような気持ち悪さというか
恥ずかしさにも似たものがあると感じたのだけども
ただただ、天皇に戦争責任がある、なんていう題目を唱えるだけでも
拒否したくなる気持ち、主人公が涙を流すといったことについては
なんでかしらないが、すごい共感したとか
そんなあたりだったのでありました

通訳というキーワードが何度か出てくるのだけども、
誰かとの意識や、思いを共有するための言葉というもの
それ自身が、誤解を固定してしまうこともあるという
そんなことも指摘しているようで
ともかく、難しく考えないといけない小説だったと
思ったりしたのでありました

疲れた