CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】パラダイス・ロスト

2018-03-05 21:43:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
パラダイス・ロスト  作:柳 博司

随分前に、これの初回作になるジョーカーゲームを読んだのですが、
今になって、なんとなく図書館で見つけたので読みました
前からそうだったかな?とちょっと、
かなりのエンタメ路線、そして、スパイ物語っぷりに
驚いたりしながら読み終えたのであります
痛快であるし、ささっと読めてしまって
非常によかったんだが、大戦の結末を思うに
なんか、どっかしっくりこないとか感じてしまったのである

内容は、完全にスパイアクションもので、
謎解きもトリックを含めて、情報操作だとかが主流となっており、
狂言回しが、いいように振り回されると
そういった内容に終始するのが独特なところ
これはこれで、非常に面白く読めたんだが
最近、年齢を重ねたせいか、こういうのが鼻につくでもないが
素直に楽しめなくなっているのも確かであります、
多少強引すぎないか、と思わされる部分があったりするんだが
案外、世の中そういうもんかなとも
感じたりするのでありました

操作の方法も、物凄く薄いもので、
なんとなく印象操作をするというものが多く、
あることに当たらせるにあたって、
暗示のようなものをかけておくことで、ミスリードを行うと、
書いてみると随分かっこいいそれなんだが、
そのトリックを解説する部分が
えらい丁寧に書かれているせいか、なんか、違うなと
思ってしまったのだけども、
解説されないと気付かないようなトリックだったりするし
こういうのは、さじ加減が難しいところでありますね

と、そんな偉そうな物言いで感想を書くべきではないのですが、
二次大戦という背景を担っているものの、
舞台装置だけで、ほとんど関係なく、スパイが活躍するという
単純娯楽を楽しめるという点で、満足度が高いと思われたのでありました
上手に操られてなんとか、どうしたといった話ばかりなんだが、
世の中、ちょっと得している人間とかは
こんなことをしてんだろうかと、狂言回し側にいる身分としては
考えさせられるというか、でも、こんなの気をつけようもないよなと
思ったり感じたりしたのでありましたとさ

しかし、スパイ強すぎるんじゃないか
いくらなんでも、どうかしているレベルではないかと
思っていましたが、娯楽活劇がそれくらい楽しくなくてどうすると
思ったりもするのでありました