CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】磁州窯瓷 鑑賞と鑑定

2018-03-08 21:18:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
磁州窯瓷 鑑賞と鑑定  著:王建中

前回の定窯に続いて、磁州窯であります
正直、私は詳しくないジャンルでありまして、
読んでなるほど、こういうのもあったのかと
非常に勉強になったのでありました

黒地に白い刻みが絵を作る
この独特の掻き落とし手法による陶磁器が
なかなか魅力的で、カラー写真には見入られてしまったのであります

読んでみれば、成立がやや新しく
五代から宋にかけてだそうで、唐の時分にはまだ
下地といった様子だったようでありますが、
民窯として長く技術を高めてきて、人気を博していたと
そういうお話でありました
なかなかに興味深い

いくつかの名品については、北京の故宮にたくさんあるのだそうで、
そのあたりから、まぁ、いやらしい言い方でありますが
台北の故宮にないのなら、そこまでの人気があったわけでないのかなと
ちょっと、感じてしまったのでありますけど
実物を見たら、これはこれで見事と
圧倒されそうな迫力をカラー写真から感じ取ったのでありました
文章で伝えることは難しいことこの上ないのでありますけども、
白い壷に、鋭く刻まれた龍の文様が黒々と
テキスタイルめいて、超かっこいいとつばを飲むほどでありました

文章内容では、鑑定の部分に結構な技術アドバイスがあり、
実際、その通りできるとは思えないのだけども、
磁州窯瓷の特徴と時代の判別について
かなり詳しく書かれていたのでありました
色味だとか、土味だとか、ついでに科学分析の結果まで載っているので
これはこれで、非常に興味深いと思われるのでありました
実物と贋物と並べたうえで、もう一度この本読みながら
じっくり比べてみたいと思ったのであります

ともあれ、とても楽しく読み終えて
また、次の中国陶磁器シリーズに手を出したいと
意気揚々としているのでありました
ああ、こういう名品をじっくり眺めてるだけで
お金もらえるような仕事ないだろうか