CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】猫の話をそのうちに

2018-02-09 21:55:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
猫の話をそのうちに  作:松久 淳

なんといったらいいか、とらえどころのない現代小説でありました
二人のミュージシャンの友情を描いた物語と
書いてしまうと、かっこよすぎる
主人公は、売れないミュージシャンで、
もう一人、売れているミュージシャンが、年上で破天荒なんだけども、
人生の師匠たるような影響を与えてくれる、
でも、二人そろって、どっか何か足りていないような
なんとも不思議な物語だったように思うのでありました

正直、猫という単語だけで読んでしまったので、
騙されたとちょっと思わなくもないくらい、
猫はほとんど関係なくて、
主人公の、物語でも指摘されている、中途半端な人生というのを
あれやこれやと楽しめるストーリーなんだけれども、
先輩ミュージシャンの言いざまや、やり方なんかも、
どっか共感できない部分があるような
まぁ、個人的な感想でいえば、
飲みながら説教する人は勘弁願いたいなというのを
まんま地でいっている人なので、
なんとも、いやだなと思いながら読みながらも、
その説教に、どこかしら痛いところをつかれてしまう主人公の
へたれではないが、情けないところもまた
なんとも、読みどころであったように思うのでありました

結構、いい年齢の二人なのに、
なんか、男子高校生みたいな雰囲気のしょーもないやりとりや、
女に関する相談事があったりとかして、
大人なのに、いつまでも修学旅行のテンションみたいな
そういう感じで、嫌いではないんだが
ものすごく面白いと、思うほどでもなかったなと
正直なところを書いておくのであります

なんにせよ、いかにも男の物語といったらいいか、
女の子に掴まれて、ちっとも羽ばたけないというか、
あれこれうじうじして、いいところがないというのが
女性では理解できない部分だろうなと感じつつも
ここだけ、ものすごく共感というか
あるなぁなんて思ったりしながら読んだのでありました

面白かったし、口癖として出てくる
ちょっと待ちなよ、百万年早いよ
というのが癖になりそうで、いい気分でありました