CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】或るろくでなしの死

2017-10-18 21:11:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
或るろくでなしの死  作:平山 夢明

なかなかのグロナンセンスな小説でした
先日読んだ微狂いの人に実に似た人が出てきたりして
本当に小説のネタにもなってんだと、
驚いてしまったというか、そんなわけあるかと
一笑に付してしまいそうな頭のおかしい人が、とてもさらりと
自然に、当たり前に、どうやらいるようだと
思わされたりしながら、衝撃を受けたのでありました

内容は死にまつわる様々な情景を描いているもので、
まぁ、全体的に胸糞悪いというか、酷い有様の内容ばかりで
どこをどう叩いたら、こういう酷い状況や人物が生まれてくるのか
でも、実際にいるんだろうなと思わせる
見事な造詣に、しびれるような感覚を覚えるのでありました
今の世の中に生まれたが、こんな人たちと出会ってない人生で本当によかった

いくつかの短編が掲載されているのでありますけども、
どれも繋がっていないのに、続きものかのような
世界観が地続きといったらいいのだろうか
ともかく、不思議と同じシリーズないし、そういう地平の物語だと
思わされてしまうのでありました
特に目的というか、何か凄いということもない話なんだが、
ただただ酷いという共通点以外にも
どこか似たというか、空気を感じるのでありました

おおよそ、ろくでもない生き様をしているクズ人間が、
これまたより一層クズ人間や、それに類する何かによって
殺したり殺されたり、見殺しにしたり死んだりと
そういうことが行われるというもので
面白いとは到底言いがたい内容なんだが
目が離せないでもない、どうとも
中毒めいたものを感じるものでありました

もう一度読みたいかというとそうじゃないんだが、
それでも何か、読んでしまったのであります