伯爵夫人 作:蓮實 重彦
ちょっと話題になっていた問題作であります
いや、問題にするのは違うのか、
ともあれ、ありがたい文学賞を抱いた作品で、
読んでみれば、官能小説まがいであったと
そういうものでありました
下品さでいったら、筆がのってるときの村上龍のほうがいかがわしいと
感じたのであります
と、そういう話にどうしてもなってしまうのが、
話題になっているゆえんの一端でもあろうと思うところ
内容は、二次大戦に日本参戦まったなしの前夜に、
伯爵夫人と呼ばれる謎の女と、書生でもないが、うぶな若者が、
どうにかこうにかという、痴情めいた行為と、
それにまつわる軽やかな言葉劇を楽しむといったところで
台詞が切れているといっていいのか、
気風のいい語り口は気味がよくて、なかなか楽しめたというか
癖になってしまいそうだったのであります
どうです、そう思ってようがすか?
いや、こんな感じじゃないな
話は、最終的には己の生まれについてだとか、
戦争突入間際の、なんともいえない居心地の悪い感じだとか、
なによりも、胡散臭い連中がひきもきれずやってくるところだとか
こういうのが描かれていて、面白かったと思うのでありますが
なんだろうか、略してしまうと、
睾丸に、ありがたく名づけられた「おみお玉」なる言葉とともに、
それをもてあそぶ、いつくしむ、懲らしめるといった
猥談めいたところをふんだんに描いた物語であったというか
もう、「おみお玉」の扱いについて書いた本といっても
差し支えがないんじゃないかと思わなくもない
丁寧な描きぶりでありました
粗野で、下卑たといってもかまわぬようでもありながら、
下品とは違う、猥雑な描かれ方が、なにか滑稽な劇のようにも思えて
なんだかんだと楽しく読んだのでありました
でも、思い返すと、やっぱりエロ小説だったのではないかと
思ったりもするんだがどうであろうか
ちょっと話題になっていた問題作であります
いや、問題にするのは違うのか、
ともあれ、ありがたい文学賞を抱いた作品で、
読んでみれば、官能小説まがいであったと
そういうものでありました
下品さでいったら、筆がのってるときの村上龍のほうがいかがわしいと
感じたのであります
と、そういう話にどうしてもなってしまうのが、
話題になっているゆえんの一端でもあろうと思うところ
内容は、二次大戦に日本参戦まったなしの前夜に、
伯爵夫人と呼ばれる謎の女と、書生でもないが、うぶな若者が、
どうにかこうにかという、痴情めいた行為と、
それにまつわる軽やかな言葉劇を楽しむといったところで
台詞が切れているといっていいのか、
気風のいい語り口は気味がよくて、なかなか楽しめたというか
癖になってしまいそうだったのであります
どうです、そう思ってようがすか?
いや、こんな感じじゃないな
話は、最終的には己の生まれについてだとか、
戦争突入間際の、なんともいえない居心地の悪い感じだとか、
なによりも、胡散臭い連中がひきもきれずやってくるところだとか
こういうのが描かれていて、面白かったと思うのでありますが
なんだろうか、略してしまうと、
睾丸に、ありがたく名づけられた「おみお玉」なる言葉とともに、
それをもてあそぶ、いつくしむ、懲らしめるといった
猥談めいたところをふんだんに描いた物語であったというか
もう、「おみお玉」の扱いについて書いた本といっても
差し支えがないんじゃないかと思わなくもない
丁寧な描きぶりでありました
粗野で、下卑たといってもかまわぬようでもありながら、
下品とは違う、猥雑な描かれ方が、なにか滑稽な劇のようにも思えて
なんだかんだと楽しく読んだのでありました
でも、思い返すと、やっぱりエロ小説だったのではないかと
思ったりもするんだがどうであろうか