CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】選択の科学

2016-09-13 20:21:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
選択の科学  著:シーナ・アイエンガー

ずっと読みたかったけども、
重たそうだなと敬遠していた一冊であります
読んでよかった、非常に面白い本だった
満ち足りた気分で読後を過ごしている次第でありました
わかりやすくて、よい読み物だった
そんなに論文めいてないのがまた良い

「選択」について研究を続けてきた、
その道の第一人者である著者が、その集大成ともいえるような、
自分がどうして研究を志したか、
その途中途中で思ったこと、感じたことを丁寧に語りつつ、
「選択」に秘められた様々な不思議について語ると
大変真面目で、笑うところなんぞ一切ないんだけども
なんとも面白い本だったと感じたのであります

著者は、学生の時分に視力を失うというハンディキャップを負いながら
そのこと自身から、「選択」するということについて、
意識的に触れるようになったという話から始まり
見えないからこそ、人がなぜそれを選んだのかということを
聞いて確かめていくうちに、不思議なといっていいのか、
人間は知らないうちに、その選択を強いられていたり、
誘導されていたり、選ぶということを楽しんでいたりといったことを
つまびらかにしていくといった具合、
著者をもっとも有名にした、ジャムの実験については
さらりと、その概要を説明するだけでありましたが
それも含めて、人間が選択するという事象に
どう触れているのかという研究が
非常に面白い、自分もそうなのだなと
改めて目を啓くようで楽しめるのであります

個人的に白眉だと思ったのは、
アジア人とアメリカ人とで、選択に対する姿勢が違い、
それによってパフォーマンスまで変化するという部分でありましょう
一時、無闇やたらなアメリカナイズが流行ったというか、
強いられた気がしていましたが、
あれはやっぱり、日本人にはあわない可能性が高いのだと
そう思うと、なんとなし、安心できるような
さりとて、それではいつまでも、
過去の繰り返しになるようなと考えさせられもしたのでありますが
この研究は、自分がそうだなぁと思えることが多く
これもまた、自分が聞きたいことだから
そう捉えているだけかもしれないと

選択から逃れない様を楽しみつつ
読み終えたのであります
面白い、人生は様々である