CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

陶磁器を探す旅~しがらきやき 直方の茶陶 春斎の壺~

2010-10-20 22:41:57 | 陶磁器を探す旅と名物
さらに焼き物イベントを続けて参ります
今度は、というか、MIHO行ったあとに
そのあしで向かったのが、信楽は陶芸の森
ここで、本格的な信楽焼の展覧会があるとのことで、
楽しみにして見に行ったのでありました

あれこれはまってきてはおるものの、
まだまだ勉強が不足しております昨今
常滑や美濃焼のあれこれでは、
それなりの名人の手をいくつか見て参りましたが、
信楽は、よくよく通ってるわりに
実際に凄いという人の作品を
ちゃんと見ていなかった、そんなおり、
どうやら、近年優れた功績を残されたと思われる

五代上田直方
高橋春斎

この二人の巨匠のそれを見てきたのでありました
それぞれ、滋賀の無形文化財となっておられる
凄まじい匠でありまして、
無骨と呼ぶべきか、まさに信楽という風情の
茶道具をつくっておられるのが、五代直方
ざっくり、どっしりした風合いと、
焼き締めで造り上げられた、素朴さがたまらん作品が、
そちこちに展示されておりました
どうにも、古典と呼ぶのか、古い信楽を再現しようと、
様々に研究された方なのだそうで、
この人の作品をみておけば、
まず、信楽とは何か、それがわかるような
そんな気がする、見事なものでありました

土にかなりこだわった作品もあった様子で、
意欲的にいろいろな作風をこなした時期のものがあったり、
遙かに若く、学生時分に陶芸家を目指しだしたときの作品など、
おそらく、知っておればもっと楽しめたであろう、
なかなか貴重な陶器があったのでありました

そんな、基本というか、真っ直ぐで真ん中という
たまらないところもよかったのでありますが、
もう一方の、高橋春斎氏

こちらは、窯変の達人であるようでした
信楽の名だたる特徴の一つ、
炎色の現出を自在に操り、
窯変も、かなりの確率で呼び起こせるという
凄まじい腕前をもっておられるとのこと

そんなわけで、うってかわって
見事に派手な信楽焼が並んでおったわけであります
どちらも素晴らしい出来映えですが、
ここまで対比になってるとまた、
お互いのよさがすげぇ出るなと感心した次第

さらに、私の勉強不足を痛感したのでありますが、
この春斎氏の作品では、窯変と灰釉を操ることができるため、
あらかじめ、正面を決めたと思われる焼き物、
それが凄かった、考えてみれば単純な話しですが、
壺を寝かせて焼くと、垂れてきた灰釉が
正面を造り上げて固まるのであります
トンボ目と呼ぶんだそうですが、
珠を作った姿も見事で、これは確かに
焼き物として、美術品として出来上がってるなんて、
素人目にも、素晴らしいと思った次第でありました

無論、そんな壺ばっかりでもなくて、
食器などもかなりつくっておられたとのこと、
その食器が欠けにくいように、縁取りに工夫を盛ったり、
器の内側に釉薬を入れて、使い易さを重視したりと
その細かな心遣いにあふれた作品も
またまた、ステキでありました

やっぱ、使えるモノが何よりもいいなぁと思いつつ、
壺も、ちょっと欲しいかもと
いよいよ、来てはならないところまで
やってきた気分を味わいつつ
信楽焼を堪能したのでありました