CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

北方謙三「三国志」

2004-12-25 23:41:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
ちょっと前に「超三国志」の話書いたので
折角だから、もう一つ最近読んだ三国志
北方謙三「三国志」

これがなかなか
最初、ハードボイルドってのをとりあえず
一般教養としてたしなもうと
北方謙三に手を出すにあたり
比較的近そうなものからと「黒龍の柩」を読んだわけですが
まぁ、読めると気付いたので
続いて、少し長いが、やっぱり三国志を読もうと
つらつら読んだのがこれ

ハードボイルドってなんだ?

そう思ったんだが
朧気に共通点として残念なところに目が行ったんだけども
どっちも、あれなのよ、そのー
性描写が変態くさいのよ
そうか、それがハードボイルドなのか・・・・
と早合点したのも懐かしい限り
ちなみに、本編読んでない人も居るでしょうが
隠すまでもなく「司馬仲達」が変態です
凄いの、マゾなんだけど最終的にサドになるの
そう、マゾの究極はサドでもあるのよという
世の中の真理について、私は
この小説から学んだ気がする

さて、冗談というか半分本気はこれくらいにして
この小説、まぁ劉備の話のようで
実は最終的に馬超にスポットが当たるという
意外ではないが、いい作品であります
結局三国志という世界ではなく
その外、西涼という場所で、別の自治を
また男として生きていく、どこでも生きていくことができる
それは戦いから逃げたのではなく
新たな戦いが始まったのだ
そんな具合で、最後、森の中で木を切る音とともに
英雄達が死んでいく様を、ただただ見守る

司馬昭とか、あのあたりについては触れない世界になって終焉となり
大変、すっきりとした読後感でありました
まぁ、じゃぁ、三国志って言うなよと
一瞬思わないでもないけども
途中、やたら孫権、周喩の兄弟の話とか
張飛の嫁話とか、ここはミッシングリンクするんだが
英雄達の戦いぶりと、それに纏わる女が
力強くてステキ

また、最強の武将呂布については
多分、この作品以上の呂布は現れないだろう
それほど強い、強すぎる、黒い軍団というのが
目の前に現れるんじゃないかと思うほど強い

さらに、張衛とか、ちょっとそんな所スポット当てるのかよ
みたいな所が、非常にいい塩梅で小者っぷりを発揮していて
この男の最期が、あまりにもハードボイルドでステキであります
このあたり読むしかない

当然魏の面々についても
非常にかっこよく書かれているが
個人的に、輝いている頃の魏の話よりも
曹操の晩年から、曹否へと続いていくあたりの
司馬イの心術とかが、魏勢は見物であります
かっこいい、この小説の
夏侯惇とカクのかっこよさは、追随を赦さない

と、まぁ、書き出したら
なんか止まらないほど英雄嘆が流れるわけですが
内容自体は、まぁ、分かり易く
そして孔明が凄いんだろうが、黒龍の竜馬と同じ調子だったり
ちょっと軍師はあんまりだけど
武将の生き様はステキなので、是非読んでいただきたい

なによりも、赤兎馬が何代にもわたっていると
ちゃんと説明されている所がステキであります
40年も走る馬が居るわけねぇっつうところ
かっちり書いてあるからねぇ