キースは、・・・今夜も素晴らしかった。
本当に、最高のピアニストだと思います。
途中、少し悩むようなそぶりを見せ、弾き出したモチーフを(カッコよかった!)、
途中で、ふとやめ、
「・・・好きじゃないな」(英語なので、僕の意訳です)
と、一言。そして、
「インプロビゼーション(即興)は難しいね」
と言った後に、
これまたカッコイイのを弾きだしたのですが、このモチーフが、強烈にいかしてました。
初めて聴くのに(・・・キースだって、そこで初めて弾くわけですからね)、どこか懐かしいような、
極めて新鮮でありつつ、どこか心がホッとする。
キースのピアノって、いつもそんな感じなんですよ。
音色は、本当に優しいしね。
あんなに優しい音色でピアノを弾ける人って、そうそういないんじゃないかなー。
温かくて、切なくて。
本当に、美しいピアノでした。
くーっ。
今夜も、良かった。
あとは、
・・・フライングブラボーさえなければなー。
アナウンスもあったのになあ。
最初の一曲目だけ、音が消え去ったあと、会場に完璧な空白が、無音が、2秒くらい続いて、
この気持ちよかったことと言ったら。
極上のアイスクリームの、最後の一口の、その最後のかたまりがゆっくりと口の中でとろけて、
そして、喉をスーッと落ちていって、
「・・・・・・」
「・・くはあーっ、おいしいなあ!!」
って感じ。
僕としては、これは餃子でも同じなんですけど、それじゃキースに失礼ですよね(ん?なら、餃子に悪いか笑)。
でも、後は、ずーっと音に被ってしまってましたね。
「ブラボーッ」って、思わず声を出す人もいて。
そうそう、こういう、先走った拍手とか声のことを、
「フライングブラボー」
って、言うんだそうです。
でもね、キースも分ってるんですよね、きっと。
フライングブラボーさんだって、「うわあ、最高!」って気持ちを伝えたくて拍手しているわけですから。
嫌がらせをしているわけでも、そんなつもりも無いことを。
でも、第二部で、
拍手をするジェスチャーをして、
「・・・So fast」
と言いました。
もしかしたら、「Not」が、頭についてたかもしれません
(英語ってそういうのが良くあるんですよね。聴き取れないと、意味が変っちゃって大変(笑))。
なんか上手く意訳できないですけど、
「はやいよー」
って感じだったのは間違いなく。
(「Not so fast」だと「早まるな。/ちょっと待て。」とかになるのかな)
アンコールでは、静かなバラード。
名盤「Melody At Night With You」に入ってる美しい曲でしたが、
弾き始めてすぐに、誰かの靴が床を擦る音が「キューッ!」と、鳴ってしまって(たまたま、靴の裏が滑ったんでしょうねえ)、
これが思いっきり会場中に響いてしまい、・・・キースもビックリして演奏をとめて、最初から弾き直したシーンもありました。
そしてラストに、「Over The Rainbow(オーバー・ザ・レインボウ)」を弾いてくれたのですが(この曲では、こらえてもらえても、涙が出てしまいました。キースのタッチが本当にキレイで、心に刺さったのです。)
その最後の一音が消え去るのを(まさに、虹が消える瞬間を)キースも、会場中の誰もが、慈しむように聴き入っている時、
また、
誰か、たった一人の「フライングブラボー」があり、キースは、…ため息をついていました。
僕ね、今日は、今まででキースに一番近い、前から6列目の目の前だったので、こういった細かな表情まで良く見えたのです。
勿論、すぐに微笑んで、「ウンウン」と頷いて、挨拶してくれましたけれども。
「まあ、仕方ないよね」と言っているようでした。
でも、出来るなら、虹が消える瞬間を、聴きたかった。
拍手を数秒待つなんて、やむをえない咳や靴音と違って、少し意識すれば出来ることなのに。
ということで、僕たち聴衆には、まあ、課題は残ったように思いますが、
でも、今夜のキースも、極上極まりなく、まさに、“ブラボー”でした。
・・・ラーメンも、
ブラボーでした(笑)。大好きな桂花ラーメンであります。
さて、明日はORIENTAL BOUNDSさんの熊谷公演です。
5月12日(土) 熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-01 18:30/19:00 adv.2,000/door.2,500
出演: THe Jet's,LIE-DOWN ORIENTAL BOUNDS
問合せ: HEAVEN'S ROCK VJ-01 048-524-4100
ちょっとドライブですなー。
天気、いいといいなー。
お会いできる皆様、どうぞよろしくお願い致します。
フラライングブラボー、明日は全然しちゃって下さいね(笑)。
むしろ、ずっとブラボーでお願いします(笑)
僕も、しっかりブラボー弾きしますので(なにそれ)。
ではー。