映画の宣伝は、新聞・テレビ・雑誌などの広報と広告、劇場を飾ることが最低の業務
で、我々宣伝マンはそれ以上に何か加えたいといつも考えています。
このブログでもいくつかご紹介しましたが、宣伝とはこれをやったから大丈夫と思った
ら負けで、無限に向かって日夜苦悩したものでした。
今回は大映が1959年の「あゝ江田島」を最初に、「あゝ〇〇」シリーズを製作した頃
の思い出です。
当時はまだ2本立て興行でしたから、新しい企画が順調に発案されなかった時期で、
第1作の「あゝ江田島」が若者に受けて興行成績も良かったのでシリーズ化となりまし
た。そこで盛り上げるため単純な思い付きですが、九州支社宣伝課では撮影所から
衣装を借りて、朝の出勤時から退社時間まで海軍兵学校の生徒になりきることにした
のです。勤務中はもちろん接客も外出もその恰好です。そして「敵国降伏」の額がかか
る筥崎神宮に揃って参拝をしました。直接的にどれだけ効果があったか判りませんが、
社員や劇場関係者が俺たちも負けないよう頑張ると言ってくれたのが大収穫だったと
思っています。