「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」のクエンティン・タランティー
ノ監督の長編第8作になる作品で、大雪のため閉ざされたロッジで繰り広げられる密
室ミステリー西部劇です。
タランティーノ作品常連のサミュエル・L・ジャクソンを筆頭に、カート・ラッセル、ジェニ
ファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル
・マドセン、ブルース・ダーンが出演。全員が嘘をついているワケありの男女8人が雪
嵐のため山小屋に閉じ込められ、そこで起こる殺人事件をきっかけに、意外な真相が
明らかになって行きます。音楽をタランティーノが敬愛するエンニオ・モリコーネが担当、
美術監督として日本から種田洋平が参加しています。70ミリのフィルムで撮影され、画
面は2.76:1というワイドスクリーンで描かれるのですが、残念ながらこの特別画面その
ものは日本では見られません。
正直言って少々文句があるのですがそれは後にして、物語の面白さ、配役の素晴らし
さ、特殊カメラの効果(監督が撮ったそのもの画面ではないが)、音楽を含めてタランテ
ィーノ・ワールドに魅せられる作品でした。
この監督の密室劇は初めてですが、製作する作品がどれも新しい趣向に溢れていて
魅力たっぷりです。今作も一筋縄では行かない展開に酔いしれるのですが、ただ168
分はいくらなんでも長過ぎで、脚本や編集の過程で30分は短縮出来たのではないか
と思われ、それが個人的に残念に思っている部分です。それにして面白い作品ですの
で絶対ご覧になりますようお薦めします。