上のスナップは、「安珍と清姫」(島耕二監督)ロケの時です。
ロケの合間に若尾ちゃんと私が身振り手振りで話し込んでいるもので、私
の好きなスナップの一枚です。
それまでは仕事で若尾ちゃんと会ったり話をしても、仕事の話しかしなかっ
たのですが、この辺りから仕事以外の話もするようになりました。
当時の若尾ちゃんは最初の結婚があまり上手く行かず、どうしたらいいか
悩んでいた時期で、私は絶対に別れるべし論者の一人でした。詳しくは覚
えていませんが、「暫らく何処かに身を隠したら・・・」と言うようなことを言っ
たような気がします。だから忍者がやるようなドロンドロンの呪文の手付き
を私がしているのです。
それから一段と彼女に近づけたような気がしますし、ある時などは、若尾ち
ゃんのあの特徴ある声が聞きたくて自宅に電話をしたら、仕事で京都に行
っている由で、京都のホテルにまで電話をかけて話をしたことなどを思い出
します。
その後も仕事場の東京撮影所で会ったり、ロケで一緒したりしましたが、あ
る時私が東京撮影所での会議を終えて所内を歩いていたら、仕事を終えて
帰ろうとする若尾ちゃんにバッタリ会いました。
彼女はニッコリ笑って「中島さんはスッピンで大丈夫だわね・・・」ですって。
その言葉に、あとあと喜んでいいのか、悲しむべきか考えさせられましたが、
今となっては身内だと思ってくれていたんだ・・・と思っています。
彼女から貰ったクリスタルの果物皿は、今でも大事に使っています。そして
私の若尾文子ファンし終生続きそうです・・・。
私が撮った彼女の写真は、これから先も沢山登場しますのでご覧ください。
↑ 上の２枚は私が撮った「安珍と清姫」のロケで撮ったスナップです。
↑ 左は雑誌社が撮った19才時の彼女。 右は私が撮りました。
