映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「 菖 蒲 」 (しょうぶ)

2013年01月23日 | 日記

   

     最近見た映画の感想が溜まっています。若い観客で一杯の「テッド」、中高年
     客がまあまあ入っていた「東京家族」それに「ボス その男シヴァージ」「渾身」
     もまだ感想を未アップで気になるのですが、前作「カティンの森」の印象が強
     烈だったのでこの「菖蒲」を書かない訳には行かず、遅ればせながらアップし
     ました。

     「菖蒲」は「世代」(1954)「地下水道」(1956)「灰とダイヤモンド」(1957)の抵抗
     3部作や「カティンの森」(2007)で著名なポーランドのアンジェイ・ワイダ監督が、
     同じポーランドの作家ヤロスワフ・イバシュキェビチの短編小説を映画化したも
     のです。

     ポーランドの小さな町に暮らすマルタ(クリティナ・ヤンダ)と長年連れ添った医
     師の夫は、ワルシャワ蜂起で一人息子を亡くして以来、夫婦の間に溝が生ま
     れています。
     夫は妻が不治の病にかかっていることを知りますが、そのことを妻に言い出
     せず時間が過ぎて行きます。

     亡き息子への罪の意識が消えないマルタは、ある日、息子が亡くなった時と
     同世代の20歳の青年と出会い、惹かれて行きます。
     ある日、彼女が青年と河辺で逢引していたとき、青年は菖蒲の根に足をとら
     れて溺死してしまうのです・・・。

     内容は、フィクションと主演女優のモノローグ、それに撮影風景を交錯させた
     不思議な映像で生と死について綴っているものです。
     簡単に書けば以上であり、作品の中には映像として素晴らしいカットがいくつ
     かあります。
     でもそれがシーンとして挿話として上手く連がって行っていないと、私は思い
     ます。

     映画機映像やセリフ・お芝居で製作者が何を言いたいのか訴えたいのか表
     現し、更に省略した部分を如何に観客に考えさせるかをしないといけないと思
     うのです。そしてその結果が芸術的な作品と評価されるのかも知れません。

     これらの重要部分を自分だけが判っている自己満足の映画に終わっています。
     素晴らしい作品を輩出してきた監督ですが、一人よがりの世界にはまっては
     観客も可愛そうです。
     世の中には3%云々という言葉があり、どんな品物でも映画でも売れる見てい
     ただける法則?がありますが、もともと映画ってそんな難しいものではないと
     思うのです。嗚呼・・・です。

コメント
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