映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

キャナルシティ劇場 「アントニーとクレオパトラ」

2011年10月22日 | 日記

      

     シェイクスピア作、蜷川幸雄・演出「アントニーとクレオパトラ」の福岡公演
     を観てきました。これまで多くの海外公演を行なってきた蜷川幸雄が、
     日本初演を手掛け、彩の国さいたま芸術劇場→福岡・キャナル劇場→大
     阪・BRAVAで公演の後、韓国公演が行われるとになっているものです。

     「アントニーとクレオパトラ」は、シェイククスピアの戯曲で、1606年にはすで
     に上演されていたと伝えられています。
     クレオパトラ役の女優さんは、それこそ女優冥利に尽きる・・・といわれ、映画
     ではエリザベス・テイラーのクレオパトラ役が強烈な印象で記憶にあります。

     物語の背景は紀元前40年のローマ帝国です。
     ローマの三執政官の一人であるアントニーは、クレオパトラの色香の虜とな
     り、アレクサンドリアにある彼女の宮殿で遊興にふけ、周囲をあきれさせて
     います。
     そこへ妻のファルヴィアが病気で死んだという報せが入り、アントニーは動
     揺しますが、ローマに反逆するポンペイが宣戦布告するという事態に、クレ
     オパトラを残してローマに戻るのでした。

     ローマに戻ったアントニーは心ならずもオクテーヴィアと結婚、ポンペイとの
     和議も整うのでした。
     一方、アントニーが結婚したことを知り嫉妬に狂います。
     その後、三頭の一人シーザーはアントニーを裏切り、ポンペイにも戦争をし
     かけ、全世界を手にしようともくろみ始め、その専横ぶりが許せないアント
     ニーは、妻を捨ててクレオパトラの元に戻り、改めてシーザーとの戦いに望
     んだものの結果はアントニー側の惨敗となり、クレオパトラはいち早く逃亡、
     しかも彼女が自殺したという虚報を信じたアントニーは絶望して自殺。
     クレオパトラも毒蛇に自らの胸を咬ませ、アントニーの後を追うのでした・・・。

     アントニーには吉田鋼太郎、宝塚を退団した安蘭けいがクレオパトラ、更に
     池内博之・橋本じゅん・中川安奈・熊谷真美らの出演です。
     舞台前方の幕は歌舞伎の定式幕が使われており、その中央にシェイクスピ
     アの肖像が描かれていて観客はまずビックリ。
     開演は木がチョンと入って幕が開く仕掛けです。でも私を驚かしたのはそこ
     までで、吉田鋼太郎ほか何人かのセリフはよく通るのですが、あとは何を言
     っているのかよく判らないし、物語の構成も原作を知っているからようやく付
     いて行ける感じで、物語の概要を長々と書いたのも感想を纏めるためでもあ
     るのです。

     全体的に重厚さが欠落しているし、第一クレオパトラが貧相です。
     極言かも知れませんが、今回の「アントニーとクレオパトラ」は蜷川幸雄の
     自己満足の舞台だったような気がしてなりません。

       

コメント (6)
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