私は三谷幸喜の舞台が大好きでほとんど観ています。特に彼の演出は
セリフが面白いし、舞台上の人の動かし方が上手いですね。
従って2年ぶりの彼の映画です、期待して見ました。
エミ(深津絵里)は失敗続きで後がない三流弁護士です。彼女が新しく
担当になったのはある殺人事件でした。
被告人は資産家で妻殺しの容疑で逮捕されたのですが、無実を主張し
自分はアリバイがあると言い張るのです。
それがなんと旅館の一室で金縛りにあっていたというのです。無実を
証明できるのは一晩中、彼の上にのし掛かっていた戦国時代の落ち武
者の幽霊だけ・・・。
エミは早速その旅館に赴き、その夜、彼女も金縛りに遭います。
目を開けると自分の上に落ち武者の姿、彼の名は更科六兵衛(西田敏行)。
エミは思わず「どうか裁判で証言してください!」と叫ぶのでした。
さあそれからが大変・・・。
映画を見ながら、これが舞台だったらこうなってああなってと思いながら
見てたのですが、映画としての面白さは薄く、正直言って三谷さんが自
己満足の世界であって、成功したとは思えません。
法廷ミステリーも、幽霊が出てきてのドキドキもお笑いも空回りです。
深津絵里・西田敏行・阿部寛・竹内結子・浅野忠信・中井貴一などに
加えて、特別出演で出てくるは出てくるわ市川正親・篠原涼子・戸田
恵子・生瀬勝久・深田恭子・唐沢寿明・佐藤浩市などなどの面々でした。
三谷さんの映画だし、これだけの顔ぶれがどっと出ているのですから、
興行的には成功するでしょうが、それだけに前述の私のぼやきになるの
です。ああ勿体ない・・・。 (10月29日公開)